ミスミグループ本社は、同社の間接材トータルコストダウンサービス「MISUMI floow」の概要と、ゴム成形用金型メーカーである石井精工における同サービスの新モデル「ドロワータイプ(引き出し型)」の導入事例と効果について説明した。
ミスミグループ本社(ミスミ)と石井精工は2026年4月23日、東京都内で会見を開き、ミスミの間接材トータルコストダウンサービス「MISUMI floow」の概要と、同サービスの新モデル「ドロワータイプ(引き出し型)」の導入事例と効果について説明した。
MISUMI floowは顧客の需要データに基づいた最適な形で間接材の提供を可能とし、工場における調達の整流化を実現するサービスである。顧客が高頻度で使用する製品については工場内に専用の自動販売機を設置し、ユーザーは作業に必要な製品を好きな時に自動販売機から取り出すことができる。なお、自動販売機内の製品補充や管理はミスミが実施する。
製品の扱いについては、実際に自動販売機から取り出した際にユーザー企業のものとなり、自動販売機内の在庫はミスミ資産となる。そのため、顧客側は過剰在庫を抱えることはない。また、自動販売機内の製品を取り出す際は顔認証やIDパスが必要となるため、作業者の使い過ぎやコストに対する意識改革につなげることができる。
ミスミ Factory-MROビジネス・ハブ 執行役員の大内郁浩氏は「MISUMI floowを導入することで、例えば、間接材の調達と人事を兼務している担当者が人事業務に専念できるようになったり、間接材が欠品をして現場が止まってしまうリスクに対するメンタルコストから解放されたりする効果を実現している。また、日本の製造業では海外の実習生も含めて人材の多様化が進んでいる中、MISUMI floowは多言語にも対応している」と強調する。
ミスミが新しくリリースしたドロワータイプは、従来モデルのキャビネット型と比較して、約75%の小型化を実現している。最大で70品目の商品をドロワータイプの中に収納でき、サイズが小さくて種類が多い部品にも対応可能だ。各引き出しには重量センサーを搭載しているため、誰がどの製品を何個取り出したのかをデジタルデータとして管理できる。
ドロワータイプについては石井精工の葛飾工場(東京都葛飾区)内に初めて導入されたという。同社は1959年に創業し、ゴム成形用金型の設計/製造を中心にモノづくりに取り組んできた。東京都墨田区に本社を構えており、同社の製造は全て葛飾工場で行っている。同社の現在の従業員は12人程度だという。製品としては、今までにジャバラやダクトホース、酵素マスク、自衛隊の訓練で使用するゴム模型銃などさまざまな実績を持つ。
金型業界の中でもゴム金型を中心に取り扱っている会社は非常に少なく、全体の3%に満たないという。石井精工 取締役 統括マネージャーの石井洋平氏は「金型業界の特徴として、全体の8割以上の事業所が10〜20人以下の従業員数で構成されている。金型業界はわれわれのような町工場が支えていると言っても過言ではない」と述べる。
同社では金型以外にも自社製品として切削技術を活用した「ALMA」というボタン型のアロマアクセサリーを開発するなど、ゴム金型以外のモノづくりにも取り組んでいる。だが、従業者が10数人規模と少ないため、本業の金型設計/製造が中心になってしまう。そのため、同社ではいかに空き時間を作るかを常に意識してきたという。
このような課題が存在している中、ミスミからの提案を受けてMISUMI floowのドロワータイプを導入した。業務で使用するチップなどの消耗品を管理し、業務上の作業時間を削減している。導入のきっかけは石井精工が運営している同社YouTubeチャンネルから生まれた縁だという。「ミスミ製品のレビューといったさまざまな動画をきっかけにして、ミスミさんとのご縁が生まれた。切削工具の管理についてもミスミさん側からこのような自動販売機あると紹介を頂き、今回の導入につながった」(石井氏)。
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