Arasは米国フロリダ州マイアミで同社のコミュニティーイベント「ARAS COMMUNITY EVENT 2026(ACE 2026)」(2026年4月13〜16日)を開催した。本稿では同イベントに登壇した同社 SVP Product Managementのイガル・カプツァン氏の基調講演の内容を紹介する。
Arasは米国フロリダ州マイアミで同社のコミュニティーイベント「ARAS COMMUNITY EVENT2026(ACE 2026)」(2026年4月13〜16日)を開催した。本稿では同イベントに登壇した同社 SVP Product Managementのイガル・カプツァン氏の基調講演の内容を紹介する。
近年の製造業では生成されるデータが指数関数的に増加しており、その複雑さは増している。これらのデータを管理するためにPLM(製品ライフサイクル管理)とAI(人工知能)を組み合わせたデータ活用に注目が集まっているが、現在のPLMシステムに強力なAIをただ追加するだけでは根本的な課題解決にはならない。
このような背景から、Arasはビジネスの成長に合わせて学習/適応しながら企業知識の神経系を構築し、既存のデータ上で機能する予測可能なデジタルスレッドが必要だとしている。同社はこれを「Adaptive PLM」として提唱し、導入の必要性を訴えている。カプツァン氏は「Adaptive PLMを導入すれば、よりスマートな意思決定/より迅速な変化への対応が可能になる。収益化までの時間はますます短縮され、影響を予測できるようになる。われわれは、企業全体のエンジニアリングデータや意思決定、変更を接続/統制するレイヤーである」と語る。
Adaptive PLMを実現するためには強固なデジタルスレッドが必要である。Arasは「パフォーマンス」「ユーザビリティ」「ホスティング」の3つの柱でAdaptive PLMを推進している。
パフォーマンスの観点では、複数のITシステムを連携させて、複雑なタスクを自動的に管理/運用するオーケストレーションや、膨大なデータをリアルタイムで処理するための応答性/動的スケーリング、システム/コストの状況を把握する可観測性を重視している。
ユーザビリティの観点では、ArasのクラウドPLMである「Aras Innovator」の従来機能に加えて、「Edge Apps」や「Edge API」といった新機能を追加している。「Edge APIは、特定のタスクや一部のデータのみを制御して提供する。これにより、PLMユーザーではない関係者にも最適な操作環境を提供可能だ」(カプツァン氏)。
ホスティングの観点では、クラウドとオンプレミスをハイブリッド展開している。2026年下半期にはオープンソースプラットフォーム「Kubernetes」によるコンテナ化に対応する。同年7月には政府/行政向けのプラットフォーム「GovCloud」へのアクセスもArasのシステムから可能になる。
加えて、Arasアプリケーションとサービスをアップロード/デプロイできる「Aras DevOps Studio」のベータ版や、AIエージェントのアクセス制御にも不可欠となる一元的なID/アクセス管理システム「CIAM」を現在提供している。Aras DevOps Studioは2026年6月にリリース予定で、同年第三四半期頃には新たな機能である「Edge AI」を完成版として提供予定だ。また、顧客の要望に応える形でMBOMや医療機器、ハイテク向けなどに「Out-of-the-box(そのまま使える)」機能を提供する専門グループを新設した。
カプツァン氏は「Adaptive PLMの実現に不可欠な要素の構築を『Aras Innovator Edge』で提供している。ローカルで管理されたデータやタスクアプリ、バリューチェーン、実際にユーザーが必要とする情報のみにアクセスできる」と強調する。
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