使用済み太陽光発電パネル用カバーガラスのリサイクルに成功リサイクルニュース

日本板硝子は、使用済み太陽光発電パネル用のカバーガラスを原料にフロート板ガラスを製造する実証実験に成功した。

» 2026年04月07日 06時30分 公開
[遠藤和宏MONOist]

 日本板硝子は2026年4月3日、使用済み太陽光発電パネル用のカバーガラスを原料にフロート板ガラスを製造する実証実験に成功したと発表した。

一定の条件下で問題なく使用できることを確認

 国内では太陽光発電設備の大量導入から十数年が経過し、耐用年数の観点から2030年以降に廃棄されるパネルの急増が見込まれている。これに伴い、素材ごとの適正な分離技術と循環利用のためのリサイクルプロセスの確立が求められている。

 一方、カバーガラスはモジュール性能を高めるための特殊なガラス組成だ。加えて、耐久性確保のためにパネルに強固に接着されており、ガラス単体としての回収、再利用は長らく困難とされてきた。

 今回の実証実験で利用したカバーガラスは、トクヤマの研究拠点「太陽光パネルリサイクル実証試験施設」(北海道南幌町)で、「太陽光パネル低温熱分解リサイクル技術」によって分離/抽出されたものだ。

 太陽光パネル低温熱分解リサイクル技術は、太陽光パネルの構成部材を強固に結合させている樹脂を、セラミックフィルターへの触媒担持という化学的手法で完全に熱分解する技術だ。同技術は、ガラス、セル、インターコネクターを高精度に抽出できる。新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)と共同で開発された技術で、北海道空知郡南幌町にあるトクヤマの研究施設で事業化するため、企業連携組織「北海道コンソーシアム」を2024年7月に設立し、道内における再資源化ネットワークの構築を目指している。

日本板硝子(左)とトクヤマの「太陽光パネルリサイクル実証試験施設」(右) 日本板硝子(左)とトクヤマの「太陽光パネルリサイクル実証試験施設」(右) 出所:日本板硝子

 トクヤマは2026年2月に千葉事業所(千葉県市原市)のフロート窯にてカバーガラスを原料に用いた製造実験を実施し、製品品質と製造プロセスへの影響評価を行った。その結果、リサイクル原料として一定の条件下で問題なく使用できることが確認され、フロート板ガラス製造への水平リサイクルが可能だと判明した。

 今回再生ガラス原料を供給したトクヤマは、使用済み太陽光パネルからカバーガラスを高効率に分離/抽出する技術を有している。日本板硝子は、より高品質なフロート板ガラス製造につなげるため、トクヤマをパートナーに選定し、その技術を活用した。

 同技術と循環プロセスが実用化されることで、従来は廃棄されていたカバーガラスの有効活用が進み、資源循環型社会の実現に貢献する。さらに、珪砂やソーダ灰などの天然資源採掘量の削減、カレット(再利用ガラス)の利用拡大による溶融窯の燃焼効率向上が期待され、フロート板ガラス製造工程でのCO2排出量低減にもつながる。

 こうした取り組みは、2025年12月に板硝子協会が発表した「ガラス産業の2050年カーボンニュートラル実現に向けたビジョン2025」で掲げられた「廃棄ガラスのリサイクルシステムの構築」を後押しするものだという。

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