三角線図を用いた抽出の設計はじめての化学工学(17)(1/2 ページ)

前回は抽出の基本原理について理解を深めました。今回は液液抽出を例に、三角線図を用いた作図法から分離組成や必要段数の試算方法を解説します。

» 2026年04月01日 07時00分 公開
[かねまるMONOist]

抽出計算の基本ツール「三角線図」

 蒸留計算では、主に温度と2成分の組成(比率)の2軸で表すグラフを使用します。抽出では抽質(目的成分)、希釈剤(抽質を溶かしている溶媒)、抽剤(抽質を取り出す溶剤)と3軸で考えることが基本です。そのため、これら3成分の混合割合を表すために、正三角形や直角二等辺三角形のグラフである「三角線図」を用います。

 三角形の3つの頂点がそれぞれ純物質100%を示し、各辺は2成分系での混合割合、グラフ内部の点が3成分系での割合を示します。図1の場合、全体に対する抽剤および抽質の割合をプロットし、残りが希釈剤の割合となります。

図1 三角線図の各点における成分イメージ 図1 三角線図の各点における成分イメージ[クリックで拡大]

 抽出操作において、「どのくらい溶けるか?」「どこまで分けられるか?」を知るには溶解度曲線が必要です。3つの成分が均一に混じり合う領域と、2つの液層に分離する領域の境界線が溶解度曲線です。抽出は、必ずこの分離する領域内で操作を行う必要があります。溶解度曲線は実験の結果に基づき作成されます。

 液が2層に分かれたとき、分離平衡に達した抽出相と抽残相の組成に点を打ちます。この操作を複数回行うことで溶解度曲線が描かれます。また1回の実験で得られた抽出相と抽残相の点同士を結んだ直線をタイライン(対応線)と呼びます。さらに抽出液と抽残液の組成が完全に一致し、2つの液層の区別がつかなくなる点があります。この点がプレイトポイントです。

図2 三角線図における溶解度曲線のイメージ 図2 三角線図における溶解度曲線のイメージ[クリックで拡大]
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