アイディオットは改正物流効率化法に対応する新サービス「CLOコンパス」の提供を開始した。分断されがちな物流データを統合し、荷主の物流統括管理者が戦略的視点で全体最適を図るための基盤構築を伴走支援する。
アイディオットは2026年3月18日、荷主企業の物流統括管理を支援する新サービス「CLOコンパス」の提供を開始したと発表した。
CLOコンパスは、2026年4月1日より改正物流効率化法に基づき義務化される「物流統括管理者」の業務を支援するクラウドツールであり、データの収集から分析、改善までを一気通貫でサポートするものだ。アイディオット 代表取締役の井上智喜氏は、「物流統括管理者の設置義務化が対象となる特定事業者約4000社に対し、今後3年間で1割のシェア獲得を目指す」と目標を掲げた。
なお、改正物流効率化法で設置が義務付けられる正式な役職名は「物流統括管理者」である。しかし、法令対応にとどまらず、サプライチェーン全体の最適化や社会課題の解決までをけん引するCLO(Chief Logistics Officer)としての役割が実質的に期待されている。そのため、同サービスおよび本稿では両者を同義として扱っている。
アイディオットは2014年の設立後、AI(人工知能)の受託開発などで実績を重ね、2020年からは内閣府が推進する「戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)」のスマート物流サービス実証実験に選定された。その成果として、2022年10月に需要予測を搭載した物流デジタルツインツール「ADT(アイディオット・デジタルツイン)」のα版をリリースした。これを基にした物流デジタルツインは、物流データ収集やAIによるボトルネックの分析、改善シミュレーションを行うツールで、物流企業や荷主企業を中心に数十社での導入実績がある。
今回提供を開始するCLOコンパスは、このADTを土台として開発したデータツールだ。物流統括管理者(CLO)には、「中長期の物流効率化計画の作成」「ドライバーの負荷低減や荷待ち/荷役時間削減に向けた施策の立案と運用」「関係部門間の連携体制の構築」「報告書の作成や物流計画の統括管理」といった役割が求められる。CLOコンパスは、データの可視化や継続的なモニタリングといったアプローチを通じて、これらの業務遂行を支援する。
主な機能としては、「積載率」「荷役時間」「荷待ち時間」の3指標の管理機能がある。具体的には、トラックの最大積載量に対して実際に積載した貨物積載量を示す「積載率の管理」、工場や拠点での積み込み/荷下ろしにかかる時間を把握する「荷役時間の管理」、そしてトラックの待機時間を計測し管理する「荷待ち時間の管理」が可能となっている。CLOコンパス上では、これらの指標における自社のスコアと、法令上で推奨されている目標スコアを比較することができる。
また、法定レポートの自動生成機能も備える。システム内に蓄積されたデータを基に「CLO定期報告書」のフォーマットを選択することで、国土交通省への提出に必要なレポートを自動で作成できる仕組みだ。
CLOコンパスを導入することで、ADTが持つ物流データの標準化や需要予測シミュレーションなどの機能も包括して利用できる設計となっている。データの登録については、物流情報標準ガイドラインに準ずる形式で、ExcelやCSVファイル、または既存の業務システムとの連携によって行う。
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