今回の検証では、飛沫感染の対策評価に必要なステップとして、1つ目に「次亜塩素酸効果の確認」を、2つ目に「飛沫の捕集技術確立」を設けた。
「次亜塩素酸効果の確認」では、気体状次亜塩素酸とインフルエンザウイルスを含んだ飛沫を試験用の筒に噴霧、送風して捕集した。併せて、気体状次亜塩素酸が「あり」の場合と「なし」の場合でインフルエンザウイルスの不活化率を確かめた。10ppbの気体状次亜塩素酸に、水分を含むインフルエンザウイルスを1.8秒間暴露した条件で評価したところ、「なし」の場合と比べて99.2%不活化できることが分かった。
岡本氏は「この不活化効果については、気体状次亜塩素酸が水分に急速に溶け込み、濃縮された次亜塩素酸水としてウイルスや菌に作用したのではないかと考察している」と述べた。
「飛沫の捕集技術確立」に関して、実使用環境下でダメージを与えず多くのウイルスを捕集する技術を開発した。従来の捕集技術としては「バブリング方式」と「フィルター方式」がある。バブリング方式は、液体中で優しく捕集できるが、送風量が少なく捕集効率が低い。フィルター方式は、大風量で捕集効率が高いが、捕集時にウイルスにダメージを与えるという課題がある。
そこでパナソニック 空質空調社は、ウイルスにダメージを与えずに大風量でウイルスを捕集可能な「回転湿式静電捕集機」を開発した。岡本氏は「回転湿式静電捕集機は静電方式を採用している。この捕集機は、中心のワイヤがプラス極として機能し、外側のドラムがマイナス極として働き、静電気を発する。そして、大風量で送られてきたウイルスを静電気の力で下部の捕集液に優しく回収できる」と話す。
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