大阪大学らは、小型魚類ゼブラフィッシュの胚を用いてヒトノロウイルスの人工合成に成功した。遺伝子改変が可能になり、ワクチンや治療薬の開発加速が期待される。
大阪大学は2025年12月2日、和歌山県立医科大学、大阪健康安全基盤研究所との共同研究で、小型魚類ゼブラフィッシュの胚を用いてヒトノロウイルス(ノロウイルス)の人工合成に成功したと発表した。任意の変異を導入でき、ウイルス増殖機構の解明や新規ノロウイルスワクチンの開発研究への応用が期待される。
研究チームは、ノロウイルスゲノム由来のcDNAを含むプラスミド(cDNAクローン)を培養細胞に導入し、培養上清をゼブラフィッシュの胚にマイクロインジェクションで注入することで、感染性のあるノロウイルスを人工的に作り出すことに成功した。
さらに、培養細胞を介さずにゼブラフィッシュの胚に直接ノロウイルスcDNAクローンをマイクロインジェクションで導入する手法を確立した。
これにより、感染性のあるノロウイルスを効率的かつ簡便に人工的に作製することに成功した。発光タンパク質遺伝子を含むウイルスなど、遺伝子改変ノロウイルスの作製も可能になった。
発光するウイルスを用いることで、ウイルス感染量を簡便に可視化、定量化できる。抗ウイルス活性の評価が容易になるため、治療薬の開発を大幅に加速できるという。また、増殖性や病原性を弱めたウイルスを作製することで、新規ワクチンの開発にも貢献すると見込んでいる。
ノロウイルスは急性胃腸炎の主要な原因だが、人工合成法の確立が遅れていた。近年はヒト腸管オルガノイドを用いて培養されることもあったが、技術的な難易度やコスト、ウイルス増殖の効率に課題があった。ゼブラフィッシュはノロウイルスの培養に適していることが報告されており、今回の成果につながった。
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