日の丸舶用水素エンジンプロジェクトが陸上試験を開始、2028年度から実船実証へ船舶技術(3/3 ページ)

» 2025年10月21日 07時15分 公開
[朴尚洙MONOist]
前のページへ 1|2|3       

ジャパンエンジンの舶用水素エンジンの開発進捗状況

 川崎重工とヤンマーパワーソリューションの舶用水素エンジンが4ストロークエンジンであるのに対し、単機で5000kW超と大出力をターゲットとしているジャパンエンジンは高圧直噴方式を用いた低速2ストロークエンジンとなっている。

ジャパンエンジンは高圧直噴方式を用いた低速2ストロークエンジンを開発している ジャパンエンジンは高圧直噴方式を用いた低速2ストロークエンジンを開発している[クリックで拡大] 出所:ジャパンエンジン

 水素燃焼解析モデルの構築による水素エンジンの性能予測や水素噴射系の設計は完了しており、2025年9月から舶用水素エンジンとしての組み立てを開始した。2026年春ごろから同社本社工場での陸上実証試験を始める。2027年1月には試験を終了して搭載船向けに出荷し、2028〜2030年度に実船実証を行う計画である。

2025年9月から舶用水素エンジンとしての組み立てを開始した 2025年9月から舶用水素エンジンとしての組み立てを開始した[クリックで拡大] 出所:ジャパンエンジン
ジャパンエンジンの舶用水素エンジンの開発スケジュールと実船実証の体制 ジャパンエンジンの舶用水素エンジンの開発スケジュールと実船実証の体制[クリックで拡大] 出所:ジャパンエンジン

 3社の舶用水素エンジンの実船実証に向けては、船舶の規模に合わせたMHFSの開発も必要になる。現在の陸上実証試験に用いているMHFSは川崎重工の舶用水素エンジン向けの中型であり、今後はヤンマーパワーソリューション向けの小型MHFS、ジャパンエンジン向けのMHFSの開発を進めることになる。

実船実証に向けて小型と大型のMHFSの開発も進めている 実船実証に向けて小型と大型のMHFSの開発も進めている[クリックで拡大] 出所:川崎重工、ヤンマーパワーソリューション、ジャパンエンジン

 なお、「舶用水素エンジンおよびMHFSの開発」のコンソーシアムでは、水素エンジンとMHFS、陸側から水素燃料を供給するためのバンカリング(船舶燃料供給)システムを一体提供し、非定常作業となるバンカリングの自動化を図っていく方針である。

水素燃料船向けに水素エンジン、MHFS、バンカリングシステムを一体提供していく 水素燃料船向けに水素エンジン、MHFS、バンカリングシステムを一体提供していく[クリックで拡大] 出所:川崎重工、ヤンマーパワーソリューション、ジャパンエンジン

⇒その他の「船舶技術」の記事はこちら

前のページへ 1|2|3       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

特別協賛PR
スポンサーからのお知らせPR
Pickup ContentsPR
Special SitePR
あなたにおすすめの記事PR