オークマは欧州最大級の工作機械展示会「EMO Hannover 2025」において、最新機種に加えて現地サプライヤーと連携したロボットシステムなど、自動化をテーマとした各種のソリューションを訴求した。
オークマは欧州最大級の工作機械展示会「EMO Hannover 2025」(2025年9月22〜26日、ドイツ・ハノーバー)において、各種の最新機種や自動化ソリューションを訴求した。
横型マシニングセンタ「MA-4000H」は欧州初出展となる。加工領域が従来機比27%拡大するなど、クラス最大級の加工領域を持つ一方で、設置面積は同6%減少した。高剛性のテーブルにより、アルミ材の加工能力は従来機比最大117%向上など、加工能力を大幅に高めている。動作軸の異常を診断する「AI機械診断」なども可能だ。
オークマヨーロッパ 技術部 部長の松永夫士一氏は「重切削が得意なMA-400Hとスピード感を重視したMB-4000Hという従来機種の本来は相反する特徴を併せ持った機械になっている」と話す。
油圧/空圧用の治具ポートを段取りステーションで最大16個、加工室内で最大8個まで装備できる。従来機はいずれも4個だった。それぞれのポートは個別に制御できるため、ロボットによる複数ワークの自動着脱や、加工室内での治具操作による工具と治具の干渉回避など、さまざまな自動化ニーズに対応する。加工室内側面のフラット化や底面側の傾斜拡大など切り粉がたまらない仕組みも取り入れている。
松永氏は「自動化を進めるためには、機械側にも安定したワークの着脱や切り粉の処理などが求められる。立形ではなく横型マシニングセンタの段取りステーションで16ポートを装備するのは設計的にハードルが高かったが実現できた。自動化をけん引するような機械に出来上がった」と期待する。
複合加工機「MULTUS B250 II」に対してワークの供給/搬出を行っていたのは、ドイツで工作機械向けの自動化システムなどを提供するPROMOT Automationのロボットシステムだ。
オークマヨーロッパ 副社長 営業/財務の久野圭一氏は「われわれが目指すのは、ユーザーにフィットしてオペレーターが使いこなせる自動化だ。人件費が高騰する欧州では自動化に対するニーズが高く、求められる自動化のレベルも幅広い。そこで自社のソリューションだけではなく、現地のサプライヤーと協力した自動化ソリューションも展示している」と話す。
2026年にドイツに開設予定のショールームには、欧州メーカーの自動化ソリューションも展示する見通しだという。
横型マシニングセンタ「MB-5000H II」と連結していたのは、オークマの立体式APC(オートパレットチェンジャー)だ。視覚的に分かりやすい表示で直感的な操作が可能になっている。また、メンテナンス用のドアが設けてあり、万が一の際にはオペレーターが迅速に内部を確認できるようになっている。
その他、大型立形マシニングセンタ「MB-100V」や小型横形マシニングセンタ「MS-320H」などを出展した。
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