アマダマシナリーは欧州最大級の工作機械展示会「EMO Hannover 2025」において、可変パルスカッティングバンドソー「PCSAW430AX II」を出展した。欧州では初披露となる。
アマダマシナリーは欧州工作機械展示会「EMO Hannover 2025」(2025年9月22〜26日:現地時間、ドイツ・ハノーバー)において、可変パルスカッティングバンドソー「PCSAW430AX II」を出展した。欧州では初披露となる。
PCSAW430AX IIは、従来一定だったパルス周波数を被削材(材質/形状/サイズ)、ブレードの種類、切削条件に応じて最適なパルス周波数に制御することで、切削抵抗を大幅に低減する。11kWの高出力ブレードモーターを搭載し、超硬ブレード「AXCELA」での高速切断に対応。切断スピードは従来機と比較し最大で約30%向上している。
マシン動作に必要な油圧ポンプは、必要な分だけ稼働させるエコポンプを採用。従来機と比較し待機時の消費電力量を約50%、加工時の消費電力量を約10〜20%削減する。タッチパネル方式の操作パネルは21インチあり、高い操作性を実現している。
アマダマシナリーヨーロッパ 執行役員 販売戦略・販売促進部の土井義朗氏はドイツの景況感について「2025年に入って若干上向いており、消耗品(ブレード)の売り上げが2024年より上昇している」と実感を語る。ただ、基幹産業である自動車産業に回復の兆しが見えるわけではなく、「それまで自動車部品を加工していた企業が、防衛産業などに目を向けている」(土井氏)からだという。
ドイツは、実質GDP成長率が2年連続でマイナス成長を記録。政府は減税措置などを柱とした企業投資促進に向けた法案を可決するなど、経済の立て直しに取り組んでいる。「大企業の中には新たな投資促進制度を活用して設備投資を再開する企業も出てきたが、中小企業にはその動きは広がっていない」(土井氏)。
欧州に限らず先進国では人手の確保が課題となっている。土井氏は「大手企業ほど、自動化が販売拡大のカギになる。材料の供給や加工後の搬出を行う周辺機器などを訴求してニーズに応えたい」と意気込む。
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