自動ベースライン調整機能で次世代材料の開発効率を向上する熱分析装置研究開発の最前線

リガクは、熱分析装置「STAvesta」のグローバル販売を開始した。自動ベースライン調整機能「FlatBlank」が作業時間を大幅に削減するほか、自己診断機能「vestaeye」で、装置の状態を常時モニタリングできる。

» 2025年07月15日 11時00分 公開
[MONOist]

 リガクは2025年7月1日、熱分析装置「STAvesta」のグローバル販売を同日に開始したと発表した。さまざまな材料分析に対応し、特に高機能材料、複合材料の開発分野での活用が期待される。

 STAvestaは、自動ベースライン調整機能「FlatBlank」により、従来の手動調整と比べて作業時間を大幅に削減する。調整後はそのまま測定できるため、作業効率の向上に寄与する。中でも多数のサンプルを取り扱う現場で、顕著な効果が期待できる。

キャプション 熱分析装置「STAvesta」[クリックで拡大] 出所:リガク

 目的や測定条件に応じて7種類(販売国によっては6種類)の電気炉に対応し、容易に交換できる。測定中のサンプルをリアルタイム画像で観察できる機能も備える。

 また、自己診断機能「vestaeye」により、装置の状態を常時モニタリングできる。測定前の装置について正常に動作するかの確認が可能になり、貴重なサンプルのロスをなくせる。

 優れた温度制御機能も備える。設定した温度プログラムに従ってサンプルを加熱、保持できるため、狙った反応が起こりやすくなり、より安定した測定ができる。

 オートサンプルチェンジャーの数は、28個だった前世代品から最大52個に増加した。搬送スピードは約2.3倍となり、1000回連続測定に対応する。また、省スペース設計で、オートサンプルチェンジャーを取り付けた場合も、設置面積は従来品と変わらない。

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