普段、2D図面を見慣れていない人に、いきなり実際の試験に出題されるような2D図面を見せても、その内容を読み取るのは難しいでしょう。そこで今回は、図2のような簡単な2D図面を例に、3Dモデルを作成するための“図面の読み方”を解説していきます。
この図面は、図3のように「前から見た図(正面図)」「上から見た図(平面図)」「右から見た図(右側面図)」の3つで構成されています。3つの面の図があることから、これらをまとめて「三面図」と呼びます。
さらに、前後、左右、上下の6つの面を全て示したものが、図4の「六面図」です。
この三面図や六面図の描き方にはルールがあります。それが「第三角法」です。簡単にいえば、「上にある図は上に」「右にある図は右に」描く方式です。対して、第一角法はこれとは逆で、「上にある図を下に」「右にある図を左に」描くルールとなります(図5)。
日本では、第三角法が一般的に採用されており、資格試験でもこの方式が使われています。また、実務における正式な図面には、第三角法または第一角法のいずれかを示す記号や指示が付記されていることがあります。
図面を正しく読み取るために重要となるのが、“各図のおのおのの長さの関係”です。上の図(平面図)は、必ず前の図(正面図)の真上に、右の図(右側面図)は、必ず前の図(正面図)の真横にくるように描かれています。正面図と平面図の長さ関係は把握しやすいですが、平面図と右側面図の対応にも注意しましょう(図6)。
図面に記載される寸法は、平面図に長さを記載した場合、右側面図の同じ箇所の長さの部分には記載されません。そのため、他の図から長さを探します(図7)。また、長さの単位ですが、親切に図面に記載されている場合もありますが、基本的に記載がなくても、機械設計の世界では「mm(ミリメートル)」が基本です。
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