STマイクロエレクトロニクスは、AIアクセラレータを搭載する最新マイコン「STM32N6」を用いたデモを披露した。
STM32N6は、動作周波数が最大800MHzのArmの「Cortex-M55」と独自開発のAIアクセラレータである「ST Neural-ART」を搭載するマイコンだ。RAMも最大4.2MB、グラフィックス用のH.264エンコーダーなど豊富な機能を有している。
展示では、600GOPS(0.6TOPS)というST Neural-ARTのAI処理性能を分かりやすく示す2つのデモを行った。1つは、家電向けをイメージした分類AIのデモで、トースターの網の上に載っているトーストや目玉焼き、タルト、チキンウイングなどの認識/分類を約30fpsの速度で行える。もう1つは、カメラとディスプレイの一体型デバイスを用いたデモで、撮影対象のポーズ推定を約30fpsで行っていた。「トースターの応用であれば焼き加減AIなどが可能だろう。冷蔵庫向けならば庫内にある食材からレシピを提案するAIなども組み込めるのではないか」(STマイクロエレクトロニクスの説明員)。
インフィニオン テクノロジーズ ジャパンは最新マイコン「PSOC Edge」を用いたデモを披露した。
PSOC EdgeはArmのCortex-M55とCortex-M33、NPUである「Ethos-U55」などを集積したマイコンである。画像およびテキストレンダリング用の低消費電力の2.5D GPUも搭載しており、1個のICでさまざまな機能を実現可能だ。
展示では、同社の高性能MEMSマイクと組み合わせた音声認識によりHMI表示の操作を行うデモと、カメラ映像から登録した個人を顔認識するデモを披露した。音声認識では、ウェイクワードとなる「Hey Infineon!」の他、HMIの操作や画面入れ替えなどを行うボイスコマンドを利用できるようになっている。また、入力音声のノイズ抑制処理を行うなど音声認識しやすいような仕組みも取り入れている。カメラ映像からの個人認証デモは、25〜30fpsの処理速度で正確に顔認識できていた。
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