出光興産は、全固体リチウムイオン二次電池の材料となる固体電解質の量産に向け、小型実証設備第1プラントの能力増強工事が完了し、2025年4月18日に竣工(しゅんこう)式を行ったと発表した。
出光興産は2025年4月21日、全固体リチウムイオン二次電池(全固体電池)の材料となる固体電解質の量産に向け、小型実証設備第1プラント(千葉県市原市、千葉事業所敷地内)の能力増強工事が完了し、同月18日に竣工(しゅんこう)式を行ったと発表した。
同社は、電気自動車(EV)の進化や資源循環型社会の構築に貢献する全固体電池に必要な材料である固体電解質の開発と量産体制の構築を進めている。現在は2つの小型実証設備を稼働させているが、このうち第1プラントにおいて2023年6月に決定した能力増強工事を完了した。
この能力増強により、固体電解質のサンプル生産能力を年間数トン(t)から十数t規模に拡大するとともに、固体電解質の量産/事業化に向けた量産技術を開発/検証するための設備も拡充。今後、固体電解質の量産技術開発を加速させ、次のステージとなる大型パイロット装置での量産技術確立につなげる。
なお、大型パイロット装置は第1プラントと同じく千葉事業所内での建設を予定しており、2024年10月に基本設計を開始。また、2025年2月には固体電解質の重要な中間原料である、硫化リチウム(Li2S)の大型製造装置建設決定を発表した。
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