標準レジンなら60秒で二次硬化完了 Formlabsが「Form Cure(第2世代)」を発表3Dプリンタニュース

Formlabsは、二次硬化ツール「Form Cure」の新製品「Form Cure(第2世代)」と、従来よりも物性が向上し、ポリプロピレンに匹敵する新材料「Tough 1500レジンV2」を発表した。

» 2025年03月26日 06時00分 公開
[八木沢篤MONOist]

 Formlabsは2025年3月24日(米国時間)、二次硬化ツール「Form Cure」の新製品「Form Cure(第2世代)」を発表した。対応機種は「Form 4/4B」「Form 3/3B/3+/3B+」「Form 2」となる。

 Form Cure(第2世代)は、前機種「Form Cure(第1世代)」と比べて、二次硬化時間や加熱(温度上昇)にかかる時間を大幅に短縮しており、造形から実際にパーツを手にするまでのワークフローを高速化できる。

Formlabsは新しい二次硬化ツール「Form Cure(第2世代)」(画像右端)を発表した Formlabsは新しい二次硬化ツール「Form Cure(第2世代)」(画像右端)を発表した[クリックで拡大] 出所:Formlabs

前機種と比較して2~8.6倍の高速化を実現

 Form Cure(第2世代)による二次硬化処理は、スタンダードレジンならわずか60秒で完了。エンジニアリング用レジンでも15分以下で完了し、前機種と比較して2~8.6倍の高速化が図れるという。60℃に達するまでの加熱時間は230Vバージョンで60秒、120Vバージョンで80秒となっている。

 Form Cure(第2世代)は48個のLEDアレイと対流式加熱システムを搭載し、均一なUV(紫外線)照射と熱分布を実現する。14.5mW/cm2の照度と最高100℃に達する加熱性能も備える。

 Form 4の造形品を収納できる大容量設計を実現し、サイドヒンジ付きの開閉ドアにより、狭い設置スペースでも造形品の出し入れが容易に行える。内部のターンテーブルはガラス製(直径235mm)で清掃もしやすい。

硬化していないときはウィンドウがオレンジ色(左)に、硬化中は紫色(右)になる 硬化していないときはウィンドウがオレンジ色(左)に、硬化中は紫色(右)になる[クリックで拡大] 出所:Formlabs

 以下、代表的なレジンの二次硬化時間について、新旧製品で比較した表を掲載する。

レジン名 Form Cure(第1世代) Form Cure(第2世代) 効果(高速化)
GreyレジンV5 5分 1分 5倍
BioMed Amberレジン 30分 5分 6倍
Tough 2000レジン 60分 7分 8.6倍
High Tempレジン 120分 15分 8倍
表1 Form Cure(第1世代)とForm Cure(第2世代)による二次硬化時間の比較

 電気コネクターをFlame Retardant(難燃性)レジンで造形した事例では、Form 4とForm Cure(第2世代)の組み合わせであれば、Form 3+とForm Cure(第1世代)を使った場合と比べて、造形品の完成までの所要時間が約6分の1に短縮されるという。

 Form Cure(第2世代)は検証済み/事前プログラム済みの硬化設定によって、Formlabsのレジンを一貫して最適な状態に硬化できる。さらに、「Open Material Mode」を活用したサードパーティー製の材料もサポートし、カスタムプロファイルを保存したり、ダイヤルで時間を手動設定したりして最適な硬化処理を施すことが可能だ。

Tough 1500レジンもアップデート

 同社はForm Cure(第2世代)の発表と併せて、新材料として「Tough 1500レジンV2」も発表した。

 Tough 1500レジンV2は、従来のTough 1500レジンよりも破壊靭性が10倍向上しており、ドリル加工やネジ切り、ひび割れに強い。また、薄肉部のガードナー衝撃強度も3倍にアップし、押出成形ポリプロピレンに匹敵する性能を発揮する。加えて、破断伸び率やロス曲げ疲労強度も非常に高く、スナップフィットやリビングヒンジのような機能を備えた、長持ちで靭性と弾性に優れた適応性の高い部品の製造に最適だという。

「Tough 1500レジンV2」の造形サンプル 「Tough 1500レジンV2」の造形サンプル[クリックで拡大] 出所:Formlabs

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