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Formlabsが新型3Dプリンタ「Form 4」発表、LFSを超えるプリントエンジンを採用3Dプリンタニュース(1/2 ページ)

Formlabsは、プロフェッショナル向け光造形(SLA)方式3Dプリンタの最新モデル「Form 4」を発表した。新たな3Dプリントエンジン「LFD(Low Force Display)」により、速度、精度、信頼性、性能品質の大幅な向上を図っている。

» 2024年04月18日 06時30分 公開
[八木沢篤MONOist]

最新3Dプリンタ「Form 4」を世界同時発表

 Formlabsは2024年4月17日(米国時間)、プロフェッショナル向け光造形(SLA)方式3Dプリンタの最新モデル「Form 4」を発表した。Form 4は、前モデルの「Form 3」シリーズに採用されていた同社独自の3Dプリントエンジン「LFS(Low Force Stereolithography/レーザーとミラーを独自に設計、融合させたシステム)」を見直し、一から設計した「LFD(Low Force Display)」により、速度、精度、信頼性、性能品質の大幅な向上を図っている。

 ベーシックパッケージ(※注1)の参考販売価格は4499米ドル(日本円に換算すると約69万6000円/日本での価格は販売代理店へ要問い合わせ)で、同日から日本を含む世界同時販売を開始する(出荷は同年5月1日からの予定)。

※注1:ベーシックパッケージとは、Form 4本体、レジンタンク、レジンミキサー、ビルドプラットフォーム、フィニッシュキットがセットになったもの。購入の際には、別途、保守契約(参考価格:年間640米ドル/日本円の価格は販売代理店へ要問い合わせ)も必須となる。

Formlabsが新たに提供を開始する3Dプリンタ「Form 4」(左)と「Form Wash(第2世代モデル)」(右) Formlabsが新たに提供を開始する3Dプリンタ「Form 4」(左)と「Form Wash(第2世代モデル)」(右)[クリックで拡大]
裏側上部メンテナンスツールが組み込まれている 「Form 4」の製品裏側(左)と製品上部(中央)、本体上部(右)にはメンテナンスツールが組み込まれている[クリックで拡大]

「Form 4」の特長と新旧比較

 Form 4の最大造形サイズは200×125×210mmで、積層ピッチは25〜300μm、XY軸解像度は50μmとなる。積層ピッチ100μmの場合の平均造形速度が1時間当たり40mmで、積層ピッチ200μmで「Fast Modelレジン」(従来「Draftレジン」と呼ばれていたものに置き換わる後継材料)を用いると、1時間当たり100mmの最高速度での造形が可能だという。

 プリンタ本体の外形寸法は398×367×554mmで、重量は18.3kg。造形には従来シリーズと同様に専用ソフトウェア「PreForm」を使用する(「Windows 7」以降、「macOS Sierra v10.12」以降のOSをサポート)。対応ファイル形式はSTL、OBJ、3MFとなる。本体のデザイン(配色)に関しては「Form 2」に近いイメージになっている。

歴代シリーズ。左から「Form 2」「Form 3+」「Form 4」 歴代シリーズ。左から「Form 2」「Form 3+」「Form 4」[クリックで拡大]

 以下に、Form 4と「Form 3+」「Form 3L」の主な仕様をまとめた。Form 4の最大造形サイズに関しては、Form 3+と比べて30%ほど拡大していることが分かる。「横長のパーツなどの場合、Form 3+では縦方向で造形するしかなかったものが、横に置けるようになるため造形時間の短縮にもつなげられる」(同社)。

製品名 Form 4 Form 3+ Form 3L
方式(3Dプリントエンジン) LFD LFS LFS
最大造形サイズ 200×125×210mm 145×145×193mm 335×200×300mm
積層ピッチ 25〜300μm 25〜300μm 25〜300μm
XY軸解像度 50μm 25μm 25μm
レジンカートリッジ 1口 1口 2口
本体操作パネルサイズ 7インチ 5.5インチ 5.5インチ
本体外形寸法 398×367×554mm 405×375×530mm 770×520×740mm
本体重量 18.3kg 17.5kg 54.4kg
表1 「Form 4」と「Form 3+」「Form 3L」の一部仕様の比較

従来よりも透明度が増した「ClearレジンV5」の造形サンプル(左)と「ClearレジンV4」の造形サンプル(右) 従来よりも透明度が増した「ClearレジンV5」の造形サンプル(左)と「ClearレジンV4」の造形サンプル(右)[クリックで拡大]

 Form 4の発表と併せて37種類以上の材料が利用可能となる他、Form 4専用の新材料として、より深みのあるグレーでマットな仕上がりとなる「GreyレジンV5」、従来よりも透明度が高まった「ClearレジンV5」、黒色の深みが増した「BlackレジンV5」、黄色っぽさが軽減され鮮明な白を再現する「WhiteレジンV5」、スピード造形重視のFast Modelレジン(前述)、最高の造形精度と品質を追求した「Precision Modelレジン」の6種類が新たに追加される。

写真奥左が「Form 3+」のビルドプラットフォーム、写真奥右が「Form 3+」のレジンカートリッジ/写真手前左が「Form 4」のビルドプラットフォーム、写真手前右が「Form 4」のレジンカートリッジ 写真奥左が「Form 3+」のビルドプラットフォーム、写真奥右が「Form 3+」のレジンカートリッジ/写真手前左が「Form 4」のビルドプラットフォーム、写真手前右が「Form 4」のレジンカートリッジ[クリックで拡大]

 レジンカートリッジの形状も再設計されており、従来と同じ1リットル容量でありながらプラスチック使用量を63%削減し、容器底面の面積が小さくなったことで保管場所も半減できるという。Form 4本体とレジンカートリッジの認識も電子接点ではなく、RFID方式に変更された。「これまでレジンタンクへの充填(じゅうてん)に時間がかかるという声をいただいていたが、Form 4はレジンタンクが空の状態から2〜8分程度で充填が完了する」(同社)。なお、Form 4ではレジンの予熱/供給機能の向上によって[プリント]ボタン押下後、すぐに造形が開始される。

 同社は、レジンの充填スピードがアップしたことで材料消費量も増えると見込んでおり、使用率の高いGreyレジンV5の価格を99米ドル(日本での価格は販売代理店へ要問い合わせ)に設定するなど、ユーザーが利用しやすい価格帯に抑えているという。

 レジンタンクもForm 4専用に耐久性と使い勝手を向上させており、レジンタンクの交換頻度も平均的なユーザーであれば1〜2年、レイヤー換算で7万5000レイヤー程度まで使用できる。なお、今回からレジンミキサーは独立となっており、寿命設定がなくなり物理的に壊れるまで使い続けられる。

新しくなったレジンタンク 新しくなったレジンタンク[クリックで拡大]
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