現在、何千もの顧客が毎日Altairのソリューションを活用しており、変革を実現しているという。マハリンガム氏はその代表的な事例をいくつか紹介した。
インドのオートバイメーカーのHero MotoCorpでは、Altairのテクノロジーを活用し、仮想的に設計を最適化して、コストのかかる物理的なプロトタイプを削減。さらにAIを用いてデータを分析し、性能を予測することで、より迅速な意思決定につなげている。同時に、複雑なシミュレーションや分析タスクを処理するためにHPCを採用し、大きな成果につなげているという。
原子力エンジニアリング企業であるフランスのAssystemでは、Altairの包括的なデジタルツインを活用して原子力発電所の残存耐用年数を延ばした。また、物理的なプロトタイピングを減らし、開発コストを削減した他、シミュレーション駆動型設計による材料使用量の最適化、故障の予測/予防による保証コストの削減などを実現した。
FDA(米国食品医薬品局)では、Altairの最新のグラフ駆動型データ統合を活用し、インテリジェントデータレイクによるエンタープライズアーキテクチャと規制審査の強化につなげている。
また、メキシコの家電メーカーのMabeでは、RapidMinerのAIワークフローによって、100万件以上のフィールドデータを分析し、消費者行動の予測を行った。これにより、冷蔵庫の性能と効率を最適化し、食品の鮮度をより長く保つことができるようになったという。
設計とシミュレーションのためのHyperWorksのユーザーは世界で数千人にも上り、メッシュレス構造解析ツールの「SimSolid」から包括的なマルチフィジックスソルバー、最適化ソリューションに至るまで、設計やシミュレーションのあらゆる場面で活用されている。
データ解析とAIのためのRapidMinerに関しては、データエンジニアやデータサイエンティストなどを中心に同じく数千人規模のユーザーがいるという。「RapidMinerのAIファブリックは、企業がインテリジェントなアプリケーションをシームレスに構築、トレーニング、デプロイ、管理するための基盤となるインフラを提供する」(マハリンガム氏)。
そして、HPCとクラウドのためのHPCWorksは、IT担当者や情報システム部門のユーザーが活用しており、インフラストラクチャの構築や運用ではなく、イノベーションの創出に集中できるよう支援するものだという。「HPCおよびクラウドプラットフォームにより、顧客はオンプレミスのコンピュートリソースを透過的に管理、拡張、最適化でき、ITの専門知識を必要とせずにあらゆるクラウドにスケールアウトすることができる。世界トップクラスのスーパーコンピュータの多くが、HPCWorksプラットフォームを活用している」(マハリンガム氏)。
現在、Altair Oneプラットフォームはこれら全ての機能を統合し、顧客にデジタルエコシステムを提供している。Altair Oneプラットフォームは、エンジニアリングおよびビジネスアプリケーション、堅牢なコンピューティングリソース、高度なAI機能をシームレスに統合し、顧客の成功を加速する、統合されたオープンクラウドゲートウェイとして位置付けられている。
「私たちの目標は、Altair Oneプラットフォームのパワーを活用して、グローバルでもローカルでも、独自のアプリケーションを大規模に構築、管理、デプロイすることで、顧客をスマートな企業に変えることである」(マハリンガム氏)
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