アルテアエンジニアリングは、「Altair Enlighten Award」の2024年度受賞者を発表した。デュポン、BMW M Motorsport、ゼネラルモーターズ、ダウなどが受賞した。
アルテアエンジニアリングは2024年8月6日、米国自動車研究センター(CAR)との共催で開催した「Altair Enlighten Award」の2024年度受賞者を発表した。デュポン、BMW M Motorsport(以下、BMW M)、ゼネラルモーターズ、ダウなどが受賞した。
Altair Enlighten Awardでは、二酸化炭素(CO2)排出量の削減、水やエネルギー消費の抑制、材料の再利用とリサイクルを促進する持続可能性と軽量化の優れた取り組みを表彰する。
サステナブル製品部門では、デュポンの「ベタメイトブロードベーク接着技術」が大賞を受賞した。低温で接着剤を硬化させ、車体製造時のエネルギー使用量と温室効果ガス排出量を削減する他、保存期間を延長する特殊な配合で低温保存の必要性をなくす技術だ。次点は、ブリヂストン アメリカのグランドツーリング用タイヤ「TURANZA EVタイヤ」が受賞した。
サステナブルプロセス部門は、BMW M、AMC、Bcomp、Gradel Lightweight Sarl、LASSO Ingenieurgesellschaftの「BMW Mビジョナリー材料シート」が大賞を受賞。持続可能で再生可能な素材の使用を重視したモノマテリアル軽量設計を採用し、藻類や植物由来の充填(じゅうてん)材をできる限り使用して、バイオベースの素材は石油由来の原材料から作成している。複合材は、必要に応じてカーボン、玄武岩、ガラス繊維、天然繊維を使用できる。次点は、トヨタ・モーター・マニュファクチャリング・カナダとPPGインダストリーズの「EPIC200X電着塗料」が受賞した。
モジュール部門は、サイエンスコ、ゼネラルモーターズの「高性能熱可塑性バッテリーモジュール構造」が大賞を受賞。精密射出成形による車両性能の向上、組み立てを簡素化する部品統合、バッテリーセルを安定させる独自のセルロック機能などに加え、複数の部品と工程を排除している。次点は、トヨタ自動車、米国ファラサン、BASFの「トヨタ・タコマ2列目コンポジットシート構造」が受賞した。
軽量化実現技術部門は、CompositeEdgeの「次世代サステイナブル高性能構造体」が大賞を受賞した。材料の使用量を最小限に抑えるため、プラスチックと天然繊維複合材料を混合して使用し、接着剤なしで、自動製造に対応する高性能構造を形成している。次点はテイジン・オートモーティブ・テクノロジーズの「複雑なCFRP部品を可能にする完全自動成形プロセス」、入選はビーミス・マニュファクチャリング・カンパニー、BASFの「BASFのウルトラミドポリアミドを使用した小型掘削機用大型油圧タンク」が受賞した。
軽量化構想部門は、WEAV3D、Braskem、Clemson Composites Centerの「コスト効果の高い軽量車体構造」が大賞となった。調整できる複合格子強化ポリプロピレンシートで、CFPA6オルガノシート(ナイロン6)よりも50%安く、23%軽く、鋼鉄よりも60〜70%軽量化し、重量はトリムスクラップを62%削減している。次点は、Carsolia Compositesの「Carsoliaの複合サスペンションコイルスプリング」だった。
責任あるAI部門は、ダウの「持続可能なSPECFLEXTM ポリウレタンソリューション」が受賞した。従来の配合と同等の機械的特性、経時特性を有しながら、総揮発性有機化合物(VOC)が50%以上、ホルムアルデヒドが60%、アセトアルデヒドが80%低い。さらに、AIアルデヒド予測モデルは、悪臭の要因を捉え、複雑な非線形特性を実世界に関連する性能特性に変換し、結果を予測する。
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