サトーとエンビプロホールディングスは、使用済みリチウムイオン電池の回収から再資源化までのデータ取得に関する実証実験に成功した。輸送中の温度変化や再資源化の過程を追跡可能になった。
サトーとエンビプロホールディングスは2024年12月4日、使用済みリチウムイオン電池(LIB)の回収から再資源化までのデータ取得に関する実証実験に成功したと発表した。輸送中の温度変化や再資源化の過程をデジタル化したことで、システム上で処理履歴の追跡が可能になった。
今回の実証実験では、使用済みLIBにRFID温度ロガータグ「LogBiz-Thermo」などを装着し、回収からリサイクル工場までの輸送時における温度や衝撃のデータを、継続的にモニタリングした。
また、回収したLIBを入れたドラム缶に固有のIDを付与し、回収から再資源化までの全工程の履歴をクラウド上に蓄積。輸送の日時や位置情報、温度情報、リサイクルの開始、工程ごとの日時を記録し、使用済みLIBから生産されるブラックマスのIDにひも付けた。
実証実験や取得したデータから、リサイクル過程でのトレーサビリティーに関して、社会実装上のルールづくりや商流の整備、標準とは異なる状況が発生した場合の対応力が必要になるなど、新たな課題が確認できた。
なお、LIBリサイクル工程の情報化はエンビプログループのVOLTAが担い、収集したデータをクラウドに蓄積する際は、エンビプログループのブライトイノベーションが開発したトレーサビリティー管理システム「TraceView」を使用する。
サトーとエンビプロホールディングスは、バッテリーのライフサイクル全体を記録するバッテリーパスポートや、経済産業省が推進するウラノスエコシステムへのデータ連携を視野に入れ、LIBのトレーサビリティーの確立やリサイクル資源の生産量予測などにデータを活用する考えだ。
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