2024年の半導体製造装置市場は前年比6.5%増の1130億ドルに達する。前工程製造装置(Wafer Fab Equipment:WFE)に関して2024年は前年比5%増、2025年は同7%増と伸びが続く見通しだ。「2024年7月時点の予測より上がっている。これは中国での投資がまだ強いことと、AI関連、特にメモリ、DRAM関連の投資が予測よりも大きかった」(ツェン氏)。
セグメント別では2024年のロジック半導体関連投資は前年と同等だったが、2025年は前年比3%ほど増えると見込んだ。その上でツェン氏は「2024年と2025年は内容が異なる。2023年や2024年はほとんどが中国のレガシー半導体への投資だったが、2025年、2026年はゲートオールアラウンド(GAA)やHigh NA(高開口数)EUV露光装置など先端半導体への投資が増えていくとみている」と話す。
2024年のDRAM関連投資は前年比35%伸びており、2025年には同10%増となると見る。背景には、生産能力の増強とHBM(広域帯メモリ)の需要増加があるという。NANDに関しては、2025年に前年比48%増を予想する。その理由について「低かった2024年の反動と次世代技術への投資だ。エンタープライズSSDは高い集積度が求められるため、200層以上のチップのような技術投資に集中する」とツェン氏は話した。
半導体製造装置市場の地域別の見通しでは、2024年には全体の43%を占めた中国での投資の鈍化を予想した。「2023年、2024年は中国への半導体製造装置の輸出規制に対する恐れから、前倒しの需要があった。その正常化が始まるのは2025年だ。ただ、半導体製造装置において中国が世界最大の市場であることには変わりはない」(ツェン氏)。
日本も2025年には前年比で30%近い伸びが見込まれ、その勢いは2026年も続くとし、ツェン氏は「2024年の日本市場はこれまでの10年間の底であり、今後はロジック半導体を中心に2028年までは非常に強い投資が見込まれている」と話した。
シリコンウエハーの出荷量に関しては2024年第2、第3四半期と上昇を続けており、第1四半期で底を打ったと見る。300mmウエハーは2025年、2026年にかけて10%台の成長を見せるが、200mmウエハーは伸びが低い状態が続くと予想する。その他ではフォトマスク、フォトレジスト、ガスなどでも2025年にいずれも10%超伸びると見通す。
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