DMG森精機がIEC 62443 4-1を取得、製品開発のセキュリティ要件などを規定:産業制御システムのセキュリティ
DMG森精機は国際規格「IEC 62443 4-1」を取得したことを発表した。
DMG森精機は2024年11月29日、国際規格「IEC 62443 4-1(産業用オートメーション及び制御システムのセキュリティ 第4-1部:安全な製品開発ライフサイクル要求事項)」を取得したことを発表した。
IEC 62443 4-1は製品開発のライフサイクル全般にわたるセキュリティプロセス要件を定めており、製品の設計、開発、保守においてセキュリティを確保するための具体的なプロセスと手順を規定している。同社のグループ会社でソフトウェア開発を行うDMG MORI Digitalが認証の対象となっている。
近年は工作機械のネットワーク化が進み、さまざまなデータの収集や分析が可能になっている。ただ、外部とのネットワーク接続が広がることで、製造現場がサイバー攻撃を受けるリスクも高まっている。
同社では、今回の認証で得られた知見と手法を、グループ全体の開発プロセスにも積極的に取り入れ、全社でセキュリティ品質の向上を図っていくとしている。
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