ユーザーセッションには、豊田自動織機、コードテックCAM、スワニーが登壇した。ここでは、豊田自動織機の講演内容を取り上げる。
豊田自動織機 技術統括センター 技術管理部 開発支援室 3D造形グループの大岩洋之氏は「豊田自動織機における3Dプリンタ活用の現状と未来」と題し、同社における3Dプリンタの保有状況や活用内容について説明した。
大岩氏は「主に機能評価、形状確認、治具製作の用途について、全事業部から3Dプリンタ活用のニーズがある」とし、3D造形グループで導入を開始した「Form 3L」と「Form 3+」を用いてそれらの対応を行っていることを紹介。そして、それまで使用していたインクジェット方式のハイエンド3Dプリンタ(材料:アクリル系樹脂)よりも材料費も抑えられ、強度も出せることから、「造形個数の多い依頼が増えてきた」と大岩氏はForm 3シリーズ導入後の変化を語る。
こうした造形支援に加え、3D造形グループでは、3Dプリンタ(Form 3L/Form 3+など)を用いて、実際に効果のあった社内事例を文書化/レポート化して全社展開することで3Dプリンタの活用促進につなげたり、これまで外注していたナイロン12による造形を内製化すべく、新たにSLS(粉末焼結積層造形)方式3Dプリンタ「Fuse 1+30W」を導入したりなど、将来を見据えた社内推進活動や投資を継続的に行っていることを紹介。大岩氏は「3D造形グループでは、従来の加工や成形と同じように、3Dプリンタ/アディティブマニュファクチャリングを工法の選択肢の1つに入れてもらうことを目的に活動している。新たに導入したFuse 1+30Wについても効果の大きい事例をレポート化して社内展開し、さらなる活用につなげていきたい」と述べる。
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