3DEOは米国に拠点があり、金属積層造形における独自技術「Intelligent Layering」を有しています。Intelligent Layeringは、敷き詰めた金属粉末にレーザー照射ではなく、バインダーを噴射し、粉末同士を結合させて積層します。また、積層しつつ複数のエンドミル(8本)で切削加工も行うことで、高い寸法精度と滑らかな表面を迅速に実現します。造形後は脱脂、焼結などを行うことで、緻密で高強度な金属部品に仕上げることが可能です。
ニデックグループのニデックマシンツールは、パウダーDED方式の金属3Dプリンタ「LAMDAシリーズ」を開発、提供しています。ノズルから供給される金属粉末にレーザーを照射し、溶融させて積層していきます。既存部品に肉盛りして形状を追加したり、補修したりすることも可能です。
LAMDAシリーズの独自技術「ローカルシールドノズル」「モニタリングフィードバック機能」によって、高品質かつ安定した加工が行えます。ローカルシールドは、造形中に溶融池周辺を不活性ガス雰囲気にする機能で、アルゴンチャンバーなしで大気環境での造形が可能です。モニタリングフィードバック機能は、レーザーと同軸に配置したカメラのモニタリング結果から、造形条件をリアルタイムに制御して、金属の溶融凝固を安定化させます。
例えば、削り代を最小限にしたニアネットシェイプ(最終形状に近い寸法)を造形し、切削加工と組み合わせて製品形状に仕上げていくことで、素材コストを抑えつつ、切削加工時間を短縮するといった活用が可能です。
また、ニデックマシンツールは2024年10月21日に、LAMDAシリーズに搭載可能な5軸制御加工用ヘッドの開発に関する発表も行っています。大型ワーク(被加工物)でテーブルの移動や回転が難しい積層造形に対し、ワークが載るテーブルを回転させることなく、任意の角度で積層造形が可能です。これにより、複雑な形状の部品や自由曲面の加工も容易になりました。
LAMDAシリーズには、造形サイズが200×200×200mmの「LAMDA200」と、造形サイズが500×500×500mmの「LAMDA500」、造形サイズが2000×1500×1600mm/2500×900×1000mmの「LAMDA2000」があります。積層可能な材料としては、SUS304、SUS316、マルエージング鋼、64チタン、インコネル718などがあります。詳細なスペックなどについては、公式Webサイトを確認ください。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.