NVIDIAは、ROS向けの生成AIツールやシミュレーション、認識ワークフローを提供する。ロボットの状況認識を強化し、人間との自然なコミュニケーションや自律的な意思決定を可能にする。
NVIDIAは2024年10月22日、デンマークのオーデンセ市で開催したROS(Robot Operating System)開発者会議「ROSCon」において、ROS向け生成AI(人工知能)ツールやシミュレーション、認識ワークフローを発表した。
今回発表したのは、新たな生成AIノードとワークフローだ。ROS 2上に構築した「ReMEmbR」は、生成AIを活用してロボットの思考と行動を強化する。LLM(大規模言語モデル)やVLM(ビジョン言語モデル)、RAG(検索拡張生成)を組み合わせることで、ロボットが周囲環境に応じて移動や相互作用する機能を向上できる。
また、WhisperTRT ROS2ノードにより、音声認識機能を提供する。推論アクセラレーター「NVIDIA TensorRT」を用いて、Open AIの「Whisper」を最適化。加えて「NVIDIA Riva ASR-TTSサービス」を活用し、ロボットが音声指示に対応できるようにした。
シミュレーション分野では、「NVIDIA Isaac Sim」をOpenUSD上に構築し、ROSパッケージと接続してロボットをテストする仮想環境を提供する。ロボットのシミュレーションとテストのワークフローを説明する、新たな入門ガイドを公開している。
「Isaac ROS 3.2」もリリース予定で、「NVIDIA Isaac Manipulator」「NVIDIA Isaac Perceptor」を改良。ロボットの認識や操作、環境マッピング機能を強化し、倉庫のような動的な状況下でのAMR(自律走行搬送ロボット)の環境認識とパフォーマンスを向上できる。
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