ソニーセミコンダクタソリューションズは、RAW画像とYUV画像を個別に処理して出力できる、車載カメラ用CMOSイメージセンサー「ISX038」を商品化する。複数のカメラやセンサー外部のISPが不要になる。
ソニーセミコンダクタソリューションズは2024年10月4日、RAW画像とYUV画像を個別に処理して出力できる、車載カメラ用CMOSイメージセンサー「ISX038」を商品化すると発表した。サンプル価格(税込)は1万5000円で、同月の出荷を予定している。
RAW画像は、先進運転支援システム(ADAS)や自動運転システム(AD)において、コンピュータが車外環境を検知したり認識したりするために必要な画像。YUV画像は、ドライブレコーダーやAR(拡張現実)カメラなど車載インフォテインメントに必要な画像だ。従来のイメージセンサーは用途ごとにカメラが必要だった。
同製品は用途ごとに専用のISP(Image Signal Processor)を搭載しており、1台のカメラで各用途の画像を個別に処理して出力できる。複数のカメラやセンサー外部にISPを用意する必要がなくなるため、省スペースで低コスト、低消費電力のシステムを構築できる。
有効画素数は3857×2177で約839万画素、イメージサイズは対角9.30mm(1/1.72型)、ユニットセルサイズは2.1×2.1μmだ。フレームレート(全画素)はRAWとYUVの同時出力で30fps、感度(標準値F5.6、30分の1秒蓄積)は880mV(Green Pixel)となっている。パッケージは11.85×8.60mmの192ピンBGAを採用した。
ダイナミックレンジ(EMVA1288規格)は、ダイナミックレンジ優先の場合は130dB。HDR撮影とLEDフリッカー抑制機能を同時に利用する場合も、独自の画素構造と露光方法で飽和照度を改善することにより、106dBの広いダイナミックレンジを維持する。
従来製品「IMX728」と互換性があるため、従来製品で収集したデータを流用してADASやADの開発を効率良く進められる。
また、自動車向け機能安全規格「ISO26262」準拠の開発プロセスを導入し、自動車用安全水準「ASIL-B(D)」に対応。自動車向け信頼性試験基準「AEC-Q100」の「Grade2」も量産までに取得予定だ。
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