ソニーセミコンダクタソリューションズは、産業機器向けに有効約532万画素のSWIRイメージセンサー「IMX992」と、有効約321万画素の「IMX993」を商品化した。0.4〜1.7μmまでの波長帯域で高精細な撮像が可能になる。
ソニーセミコンダクタソリューションズは2023年11月29日、産業機器向けに有効約532万画素のSWIR(Short-Wavelength Infrared:短波長赤外)イメージセンサー「IMX992」と、有効約321万画素の「IMX993」を商品化したと発表した。2024年2月からサンプル出荷する。
同製品は、受光部のフォトダイオードを形成するInGaAs(インジウム、ガリウム、ヒ素)層と読み出し回路を形成するSi(シリコン)層をCu-Cu接続で接合している。これにより、画素ピッチを縮小し、3.45μm角の画素サイズを形成することに成功した。また、多画素化によって、微細な対象物の検出や広範囲の撮影が可能になり、短波長赤外光を用いるさまざまな検査での計測精度を向上できる。
新たに搭載した「High Conversion Gain(HCG)モード」は、光を電気信号に変換した直後のノイズが少ない状態で信号を増幅するため、暗い環境でもノイズの影響を抑え、カメラの認識精度を高める。また、「Low Conversion Gain(LCG)モード」では、光量が十分にある明るい環境で、ダイナミックレンジを重視した撮像ができる。
後段システムにフレームメモリを設ければ、「DRRS(Dual Read Rolling Shutter)」が使用できる。DRRS有効時にイメージセンサーから出力された2種類の特殊な画像をカメラ側で合成することで、多くのノイズを除去した画像が得られる。
同製品は画素構造を最適化したことで、従来比で可視光帯域の量子効率が向上した。これにより0.4μmから1.7μmまでの波長帯域において、感度特性が均質となり波長ごとの画質差が抑えられる。
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