低侵襲設計の経皮内視鏡的胃ろう造設術用デバイスを発売医療機器ニュース

オリンパスは、経皮内視鏡的胃ろう造設術用デバイス「イディアルシースPEGキット(イディアルボタンZERO)」を発売した。交換用に販売している低侵襲設計のカテーテル「イディアルボタンZERO」を胃ろう造設時にも留置可能になる。

» 2024年10月03日 15時00分 公開
[MONOist]

 オリンパスは2024年9月18日、経皮内視鏡的胃ろう造設術用デバイス「イディアルシースPEGキット(イディアルボタンZERO)」の国内発売を開始した。交換用に販売している低侵襲設計のカテーテル「イディアルボタンZERO」を胃ろう造設時にも留置可能になる。

キャプション 経皮内視鏡的胃ろう造設術用デバイス「イディアルシースPEGキット(イディアルボタンZERO)」[クリックで拡大] 出所:オリンパス

 経皮内視鏡的胃ろう造設術は、内視鏡を使って体外と胃をつなぐ小さな穴(胃ろう)をつくる手技だ。口から食事ができない、飲み込めない患者の胃に栄養を直接送ることを目的としている。

 2023年6月に発売したイディアルボタンZEROは、カテーテル先端のバンパーをカプセルに収納する構造により、スムーズな挿入をサポートする。挿入後は、胃内にカプセルを脱落させてバンパーを展開し、カテーテルを留置する。カプセルは胃内で溶解する。

 バンパーは、シリコンの膜と形状記憶ワイヤーのリングで形成している。留置時に、この形状記憶ワイヤーのリングが展開することで、意図しない抜去を防ぐ。交換時は、形状記憶ワイヤーを先に引き抜くことでシリコンの膜のみが残る。シリコンの膜は折りたたまれた状態で回収でき、患者の苦痛を軽減する。

キャプション バンパー展開イメージ[クリックで拡大] 出所:オリンパス

 胃ろう造設時は、体外と胃をつなぐトンネル状の空間を確保する管状のシースを介して、イディアルボタンZEROを留置する。シースで体外からカテーテルを胃の中に挿入し、腹壁と胃壁の隙間に空気が入ったり、胃壁が裂けるなどのリスクを軽減する。

キャプション 左:シースにより、体外と胃をつなぐトンネル状の空間を確保するイメージ図。右:シースを介して、カテーテルを体外から胃の中に挿入するイメージ図[クリックで拡大] 出所:オリンパス

 同キットを用いることで、胃ろうの造設からカテーテル交換までを一貫して管理可能になる。また、シースを介したカテーテル留置で、安心、安全な手技を支援する。

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