コロナ禍で製造業のマーケティング手法もデジタルシフトが加速した。だが、業界の事情に合わせたデジタルマーケティングを実践できている企業はそう多くない。本連載では「製造業のための正しいデジタルマーケティング知識」を伝えていく。第18回のテーマは「大手企業から問い合わせを増やすための方法」だ。
今回は当社で実施した、「新規外注先の探し方から問い合わせるまでに何を重視しているか」のアンケート結果を紹介する。新規外注先選びの経験があり大手メーカー(従業員1000人以上)に勤務する、設計開発部門や購買調達部門、研究開発部門の担当者111人に聞いたものだ。
新規外注先の探し方として最も多かったのは「付き合いのある商社や外注先からの紹介」で64.0%、「検索エンジン(Google、Yahoo!、Bingなど)」が2番目に多い54.1%という結果となった。展示会は29.7%と想定した以上に少なかった。
また、検索キーワードとしては「製品名(フランジ加工、シャフト加工など)」が最多で、Webサイトの内容で重視しているのは「加工実績」という結果だった。
このことから、大手企業とつながりを持つためにはWebサイトが有効であることが分かった。さらに、単にWebサイトを作成するだけでなく、製品名で検索した際に上位に表示されるような検索エンジン最適化(SEO)対策を行い、多数の加工実績を掲載することが有効であることも明らかになった。
新規外注先の探し方について調査したところ、前述の通り、付き合いのある商社や社内の他部門から紹介してもらうケースが多かった。
全く付き合いのない外注先の探し方は、以下の結果となった。
このことから、大手企業にアプローチする方法として最も効果的なものはWebサイトであることが分かる。ただし、展示会や売り込みも効果はあるため、Webサイトを軸として他の営業方法も併用することが重要だ。
検索エンジン対策を行う上で重要となるのが、ターゲットの検索キーワードである。どのようなキーワードで検索しているかを知ることで、SEO(検索で上位表示させるためのテクニック)の方向性を決めることができる。
アンケートの結果、最も多い検索キーワードは、フランジ加工やシャフト加工などの製品名であった。2番目に加工方法、3番目が軽量化などの機能系キーワードが続く。
つまりまずやるべきことは、製品名で検索したときに自社サイトが上位に表示されるようなSEOである。もちろん検索需要との兼ね合いもあるが、検索需要が少なくとも、問い合わせにつながりやすいキーワードで対策をすれば効果が見込める。製品名のSEOを強化した後は、同様に加工方法や機能、材料名などでも行うべきだ。
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