大手メーカーからの問い合わせを増やすには? 担当者に聞いた「外注先の見つけ方」間違いだらけの製造業デジタルマーケティング(18)(3/3 ページ)

» 2024年10月01日 10時00分 公開
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アンケート調査の結論

 前述の通り、調査結果では64.9%がWebサイトのデザインの洗練度やカッコ良さが発注先選定に影響すると答えており、その重要性が浮き彫りになっている。

 情報収集手段としては「付き合いのある商社や外注先からの紹介」(64.0%)と「検索エンジン」(54.1%)が多く利用されていることが示された。特に検索エンジンでの情報収集時に使用されるキーワードとして、「製品(部品)名」(65.0%)、「加工方法」(48.3%)、「機能」(38.3%)、「材料名」(31.7%)などが上位に挙げられていることから、これらのキーワードに対応したSEO対策が重要である。

 さらに、業務に関連する動画コンテンツの視聴がよく行われている(69.4%)ことも分かったが、YouTubeを直接利用して情報を収集するケースは少ない(9.0%)。従って、動画コンテンツは自社のWebサイトに埋め込むことが有効である。

 これらの結果を踏まえると次のことが言えるだろう。企業はWebサイトのデザインを洗練させ、SEOを行い、特に重要な検索キーワードに対応することが大事になる。そして自社の動画コンテンツはなるべくページに埋め込むことで、大手企業からの問い合わせ増加が期待できる。

資料:大手メーカーの開発設計者へのアンケート内容

 最後に、アンケートの調査の内容についてまとめる。

目的

 大手メーカー(従業員1000人以上)が外注先を探すときの方法を調査することで、大手から問い合わせを増やすため具体的な方法を考察する。

アンケート対象者、方法、期間

 新規外注先選びに携わったことのある大手メーカーに勤務する設計開発部門、購買調達部門、研究開発部門の担当者111人。

調査方法

 インターネット調査

調査期間

2024年5月15〜16日

アンケート詳細

  • 質問内容
    1. お勤め先で、新規外注先を探すことになった理由を教えてください。
    2. 新規外注先を探した際に利用した情報収集手段を全て教えてください。
    3. Q2で「検索エンジン」と回答した方にお聞きします。検索エンジンで情報収集する際に使用したキーワードを教えてください。
    4. 発注候補先企業を絞り込む際に、Webサイト上で重要視して確認する項目を教えてください。
    5. 発注先企業を絞り込む上で、Webサイトのデザインが洗練されていることやカッコ良さが、発注先を選ぶ際の選定に影響しますか。
    6. 発注先候補企業を絞り込む際に、どのようなWebサイトの企業を候補から外しますか。
    7. 発注先企業を選定する上で、「何かに特化している業者」と、「何でも対応するとうたっている業者」では、どちらの方が印象が良いと感じますか。
    8. 業務に関連する動画コンテンツを視聴することはありますか。
    9. Q8で「よくある」「ややある」と回答した方にお聞きします。 あなたは、業務に関連する動画コンテンツをどのような目的で 視聴しましたか。
ALTALTALT (左から)Q1、Q7、Q9の結果。他の質問項目の結果は前出[クリックして拡大] 出所:テクノポート

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筆者紹介

永井満(ながい みつる)
テクノポート株式会社 Webマーケティング事業部 名古屋オフィス責任者

日本大学大学院(航空宇宙工学専攻)を卒業後、新卒で入社したボッシュ株式会社にてディーゼルエンジンの設計職を経験した後、テクノポート株式会社へ入社。現在はWebマーケティングコンサルタントとして、中小企業から大手製造業まで幅広い企業のクライアントを担当。技術の魅力を伝えることにこだわったマーケティング支援を心掛けている。


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