TOPPANホールディングスは、細胞と親和性が高いコラーゲンマイクロファイバーを使った、新しい3D細胞培養技術を開発した。同技術で培養したがん組織は、従来法よりも悪性度が高く、より正確に生体のがんを再現できる。
TOPPANホールディングスは2024年8月26日、細胞と親和性が高いコラーゲンマイクロファイバー(CMF)を使った、新しい3D細胞培養技術を開発したと発表した。同技術で培養したがん組織は、従来法よりも悪性度が高く、より正確に生体のがんを再現できる。大阪大学との共同研究による成果だ。
両者は2017年に、独自のバイオマテリアルを活用した3D細胞培養技術「invivoid」を共同で開発している。invivoidは、体内でコラーゲンなどの細胞外マトリクスや他の細胞と相互作用しながら活動するがん細胞の実環境をリアルに再現できる。
今回の研究では、invivoidを応用し、細胞との親和性が高い材料として知られるCMFを使った3D細胞培養技術を新たに開発。新技術で培養したがん細胞は、活性酸素(ROS)に対して高い抵抗性を示すことが分かった。
生体内のがんは体外で培養すると悪性度(ROS抵抗性)を失うが、従来の培養技術に比べて新技術はROS抵抗性が約20〜40倍多くなった。これは、CMF内で培養したがん細胞が抗酸化物質のグルタチオンの産生能力を高めることで、自らをROSから防御しており、生体のがんの現象と類似した性質を示したことが理由と考えられる。
また、CMF内で3D培養したがん細胞を分離して2Dで再培養しても、ROSへの抵抗性は長期間維持することが示された。これにより、3D培養の高度な機能と品質を維持しながら、簡便な従来の2D培養で新薬候補を正確に探索することが可能になる。
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