日本特殊陶業は、日本大学との共同研究により、小型で強力な空中超音波の出力が可能な「BLT型超音波エミッタ」を開発した。先端から100mmの距離で最大170dB、300mmの距離で159dBという高音圧を出力できる。
日本特殊陶業は2024年8月21日、日本大学との共同研究により、小型で強力な空中超音波の出力が可能な「BLT型超音波エミッタ」を開発したと発表した。
BLT型超音波エミッタは直径15mm、全長60mm以下というコンパクトな設計ながら、先端から100mmの距離で最大170dB、300mmの距離で159dBという高音圧を出力できる。圧電セラミックスを使用しており、高音圧化と5Wという低消費電力化を両立した。
強力な空中超音波は、非破壊検査、音響浮揚、害虫および害獣防除、超音波治療といったさまざまな分野での応用が進んでいる。超音波を高音圧化するためには、複数の超音波エミッタをアレイ構造とするのが一般的だが、装置の大型化や制御回路が複雑になるなどの課題があった。開発品は本体と振動板を一体化した構造を持ち、エミッタの配置面積を削減するとともに、制御回路の単純化にも成功した。
今後は、異なる周波数に対応するエミッタの開発を進めるとともに、環境配慮型の無鉛圧電素子を使用したエミッタ開発にも注力する。
MIを活用し高性能かつ量産可能な新規無鉛圧電材料を半年で開発
ドローンで自動車整備工場に部品を配送 日本特殊陶業が実証実験
ハイパワーと大容量を実現した、“かゆい所に手が届く”Liイオンキャパシター
世界初で世界最小の超音波フィルターを開発、トポロジーの原理で限界を打破
溶媒内での超音波処理により、2D半導体単層の選択的単離に成功
省エネオンチップ量子光メモリ素子に向け、電子と超音波のハイブリッド状態を実現Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
組み込み開発の記事ランキング
コーナーリンク
よく読まれている編集記者コラム