それでは、家計の金融資産の水準について主要国で比較してみましょう。主要な現金/預金、株式(持分/投資信託受益証券)、保険/年金/定型保証の3つを並べてみます。
えぇと……、日本だけ現金/預金がすごいことになっています……。
そうですね。バブル期に急激に増加し、ポストバブル期にさらに増えて1995年にはドル換算(為替レートは年平均で94.1円/ドル)で1人あたり5万ドルに達しています。当時、他国は1万ドル程度でしたので、約5倍という極端な水準だったわけです。
とんでもない水準に達していたわけですね! その後も緩やかながら増え続けています。他国が足並みをそろえながら緩やかに増えているのに対して、日本だけが独走状態ですね。最近の水準でも他国の2倍程度あります。
日本の家計は現金/預金を多く持っています。一方で株式を見ると、日本は少ない方になりますね。圧倒的なのは米国で、カナダも非常に高い水準にあります。
株式を中心として経済が動いている点が、米国、カナダの特徴と言えそうです。
保険/年金/定型保証を見ると、日本はフランスやドイツと同程度で中間的な水準です。英国は米国と同等の高い水準にあります。
各国の特徴が確認できて興味深いですね。次に、企業の負債についても注目してみましょう。
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