Jmeesと国立がん研究センターが共同開発した「内視鏡手術支援プログラムSurVis-Hys」が、プログラム医療機器として薬事承認された。内視鏡下子宮全摘術中に候補領域を強調表示するプログラムだ。
Jmeesと国立がん研究センターは2024年8月8日、共同開発した「内視鏡手術支援プログラムSurVis-Hys(サービス・ヒス)」がプログラム医療機器として薬事承認されたと発表した。
内視鏡手術支援プログラムSurVis-Hysは、腹腔鏡下およびロボット支援下の子宮全摘術において、候補領域を強調表示するプログラムだ。内視鏡映像の中から尿管および膀胱(ぼうこう)をAI(人工知能)が検出し、手術中の医師が臓器を認識しやすいように強調表示する。
薬事申請に伴い、同プログラムの性能評価試験を実施。医師が単独で認識した場合の感度と比較して、同プログラムを併用した場合は医師の認識感度が尿管で14.6ポイント、膀胱で15.8ポイント上昇した。
子宮全摘術では、開腹手術と比べて患者の負担が少ない内視鏡下手術が主流となっている。しかし、内視鏡下による子宮全摘術は、尿管や膀胱の損傷による合併症のリスクが上がるため、医師の臓器認識感度の向上が課題とされていた。
両者は今後、同プログラムをSurVis-Hysシリーズとして、婦人科以外の外科にも適用できるよう研究を進める。また、臓器損傷リスクに関する臨床試験を実施し、同プログラムの有用性を検証する。
Jmeesは、国立がん研究センター東病院から2019年に生まれたスタートアップ企業だ。今回の薬事承認は、国立がん研究センター発ベンチャーによる医療機器の薬事承認取得例として2件目となる。
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