ISO/ASTM 52920を監査基準とした認証は、AM製造者が第三者認証機関に申し込みをします。すると第三者認証機関は、監査基準である規格に、AM製造プロセスや製造環境が適合しているかのチェック(審査)を行い、合格であれば認証書が発行されるという仕組みです。
認証は、AM発注者(B社にとって、「認証を取得している会社はすでにある程度AM量産の品質保証ができている会社」として、調達先を発見するのにも役立ちます。また、発注先が認証を取得していれば、自社が行う監査の工数を大幅に削減することが可能です。
AM製造者(C社)にとっても、自社がどんなふうにAM量産の品質保証を考え、不具合の発生/流出の防止をしているかという客観的な指標として認証を活用することができ、新規取引先の開拓にも生かせるものと思います。
AMは新しい技術であるが故に、発注者側の品質要求のノウハウが成熟しておらず「過剰な心配」を抱えたまま調達に入ることがあります。
その結果、「AMはよく分からなくて心配だから全数検査してほしい」とか、「内部品質が心配なので破壊検査のサンプル数をたくさんとりたい」というような科学的/統計的に有意とは思えないような要求がされることがあります。内部品質の不安のあまり、「割ってみないと良品かどうか分からないから全部割ってほしい」と要求された、というジョークがあるほどです。
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これでは買う側にとっても売る側にとってもコストがかかります。これを科学的、統計的に解決するのがプロセス保証であり、その方法を要求事項としてまとめたのがISO/ASTM 52920という規格であり、その規格に適合しているかどうかを第三者的に証明するサービスが第三者認証、ということなのです。
今回は、AM品質保証の国際規格であるISO/ASTM 52920の使い方、メリットについて見てきました。ポイントをおさらいします。
次回は、ISO/ASTM 52920はAM品質保証のどの範囲についての要求事項を定めているのかという「適用範囲」について説明したいと思います。
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