Schneider Electricは、世界最大級の産業見本市「ハノーバーメッセ(HANNOVER MESSE) 2024」において、生成AI(人工知能)を活用した、PLCなどの制御プログラム開発を支援するシステムのデモを公開した。ユーザーが自然言語で作成したいコードを伝えると、システムがコードを自動生成、考慮すべき点や参照ドキュメントなども提示する。
フランスのSchneider Electric(シュナイダーエレクトリック/以下、シュナイダー)は、世界最大級の産業見本市「ハノーバーメッセ(HANNOVER MESSE) 2024」(2024年4月22〜26日/ドイツ・ハノーバー)において、生成AI(人工知能)を活用した、PLCなどの制御プログラム開発を支援するシステムのデモを公開した。ユーザーが自然言語で作成したいコードを伝えると、システムがコードを自動生成、考慮すべき点や参照ドキュメントなども提示する。開発中のソフトウェア「Automation Manager」の一機能として搭載し、2025年初頭の提供開始を予定しているという。
Automation Managerは、「EcoStruxure Automation Expert(以下、EAE)」や「EcoStruxure Machine Expert」など、同社のさまざまなソフトウェアの管理ツールのような位置付けの製品という。クラウドで運用が可能で、GitHubのようなコードの共有および共同編集などの機能を搭載し、「例えばグループで共同開発をする際、グループチャットのような場所でコードをシェアして共同開発でき、誰がいつ触ったかなどの記録も残る」(説明担当者)という。
シュナイダーは、このAutomation Managerの一機能として、Microsoftの生成AI基盤「Azure OpenAI Service」を活用し、自然言語でPLCなどの制御プログラムを自動生成するシステムを搭載する計画だ。メッセ会場では、実際にこのシステムによってコードを自動生成するデモを行っていた。
デモではまず、「Modicon M262(シュナイダーのPLC)で制御する、割り出し/切断アプリケーション用の構造化テキストコードを生成して。このアプリケーションは、Lexium32(シュナイダーのサーボドライブ)でリニアアクチュエーターを駆動し、ユーザー定義の長さと速度でチューブを切断するものである」というメッセージをチャット欄に入力した。
メッセージ入力後、システムは、コードを生成する前に、希望するアプリケーションにおいて考慮すべき点として、Lexium32がリニアアクチュエーターと使用するために適切にコンフィギュレーションされているかの確認や、ユーザー定義の長さがドライブの許容範囲内であるかの検証、安全対策に関する確認の必要性などを説明。さらに数分後、ユーザーが求めるコードを提示し、同時に参照ドキュメントのリンクも示していた。
説明担当者は、「この機能は、生成および検証、学習の実現が狙いだ。生成後、エンジニアは正しいライブラリを利用していることを確認し、今後シュナイダーのライブラリを使用する方法も学習できる」と語っていた。また、同システムを試した顧客から、「従来数時間かかった作業が5分程度で完了できることは非常に得るものが大きい」などと感想があったことも紹介していた。
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