シュナイダーは今回のメッセ会場において、醸造工程を持つ飲料、乳製品、食品や化学品の製造に特化し、製造工程を横方向に統合した「水平統合」と、ITからOT(Operational Technology)までを制御、管理する「垂直統合」を合わせた「水平垂直統合」のプロセス制御を担うソフトウェアソリューション「Plant iT(プラントIT)」の新バージョンのデモを行っていた。
Plant iTは、プラント制御とMES(Manufacturing Execution System)を統合したシステムのソフトウェアブランド「ProLeiT(プロレイト)」によるソリューション。今回、紹介していたのは、このPlant iTがEAEと統合したことによる新機能だ。
EAEは、同社の産業用IoT(モノのインターネット)基盤「EcoStruxure」の中で用意しているソリューションで、IEC 61449基準で産業用オートメーションシステムをソフトウェアベースで構築するというもの。エンジニアはPLCなどの個々の機器の設計ではなく、複数の機器にまたがるシステム全体を一括して設計できる。システム全体の設計後は、どの機能をどのハードウェアで動作をさせるのかを、簡単にマッピング可能だ。EAE自体は既に提供中で、日本国内向けの展開も2022年に開始している。
Plant iTは従来シュナイダーおよびSimens、Rockwell AutomationのPLCをサポートしていたが、EAEとの統合によってこの3社以外のPLCにも対応可能となったという。説明担当者は、「従来は対応するPLCをベースにプロセス制御を構成していたが、EAEとの統合によってよりPLC側がオープンになった」と説明した。
また、説明担当者はPlant iTについて、「ソフトウェア自体が特徴的で、MESを統合した形でプロセス制御を行っているので、例えば受注情報がERPに入ってきて、それが実際に生産計画として定義され、定義された生産計画をもとに実際に機械を動かす、こうした一連の流れを完全に統合している。そして原材料の入庫から、加工、包装など水平のプロセスも全て統合しているのが特長だ」とも強調していた。
Plant iTは日本でも2024年1月から展開を開始している。
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