シュナイダーエレクトリックは、スマート工場を中心としたソリューションを強化し、国内での展開を加速する。スマート工場化が進む中、従来のIoTゲートウェイに加え、新たにネットワーク機器の展開を開始する他、組み立て製造業向けのSCADA/HMIソフトウェアなどを投入する。さらに、市場が盛り上がりを見せるリニア搬送システムへの参入や、ソフトウェア中心の新たな制御システムの仕組みなどの提案も進める。
シュナイダーエレクトリックは、スマート工場を中心としたソリューションを強化し、国内での展開を加速する。スマート工場化が進む中、従来のIoTゲートウェイに加え、新たにネットワーク機器の展開を開始する他、組み立て製造業向けのSCADA/HMIソフトウェアなどを投入する。さらに、市場が盛り上がりを見せるリニア搬送システムへの参入や、ソフトウェア中心の新たな制御システムの仕組みなどの提案も進める。
シュナイダーエレクトリックはグローバルではビルオートメーション、ファクトリーオートメーションを含めてさまざまな制御機器やシステムを展開しているが、国内においては買収したデジタルが「Pro-face」ブランドで展開するHMI機器が中心となっていた。その中で2021年は、この「Pro-face」ブランドをHMIブランドではなくIoTブランドとして転換し、接続性を強みに製造業のDX(デジタルトランスフォーメーション)推進を進めてきた。
さらに、これらで得た情報を産業別で展開するIoTプラットフォーム「EcoStruxure(エコストラクチャー)」などで活用するソリューションの仕組みを提供するため、SI(システムインテグレーション)パートナーの拡大などにも取り組み、2021年8月にはアドソル日進とのパートナー契約を締結している。
ここまでの取り組みについて、シュナイダーエレクトリック インダストリー事業部 バイスプレジデントの角田裕也氏は「非常にうまくいっている。アドソル日進とのパートナーシップも多くの成果を生み出し始めている」と手応えについて語っている。
これらの成果を踏まえ、さらに国内での取り組みをより広く、より深く広げていく方針である。新たに取り組むのが、エッジからの情報の連携や活用の強化である。その1つが、「Pro-face」ブランドでのSCADA(Supervisory Control and Data Acquisition)の展開である。新たに2021年11月17日からSCADA/HMIソフトウェア「BLUE Open Studio」を発売する。
「BLUE Open Studio」は、製造ライン単位、工場単位でのOT(制御技術)データの加工や見える化を行うソフトウェアで、「Pro-face」ブランドがHMIで培ったノウハウやサポート体制を生かし、250種以上の通信ドライバーを標準搭載することで、さまざまなエッジ関連機器から円滑な情報取得が行える。また、Microsoft SQLサーバやOracleなど15種類のデータベースと接続可能とした他、MQTTなどさまざまな通信規格にも対応している。
OEE(設備総合効率)ダッシュボードやガントチャート、トレンド、スケジューラーなどライン監視に役立つさまざまなテンプレートを用意する他、フロア別・ライン別の稼働監視向けダッシュボードなど、見せ方についての機能も充実。マルチスクリーンにも対応する他、HTML5対応によりWeb用の画面も作成でき、モバイル端末での閲覧なども可能だ。
角田氏は「大規模なプラントでは同グループのAVEVAのシステムを使うケースも多いが、スマート工場化が進む中で組み立て製造業やもっと規模の小さな工場でも見える化を進めるケースが増えている。こうしたニーズに応えていく」と語っている。
さらに、こうしたエッジからの情報連携の実現にはネットワーク環境の整備も必要となるが、ネットワーク機器やソリューションについても国内での取り組みを強化する。既にIoTゲートウェイについては展開しているが、ネットワークスイッチをPLCブランドである「Modicon」に統一し、「Modiconスイッチ」として提供する。既に10月にはアンマネージドスイッチの国内展開を開始したが、12月にはマネージドスイッチをリリースし、エッジの情報取得からネットワーク環境の整備、情報の活用までを一貫して提供できる体制を作る。
「ネットワークスイッチは以前から日本でも一部で取り扱っていたが、リブランドと合わせて本格的に取り組みを広げる。ネットワークについても国内でネットワークインテグレーターとの緊密なパートナーシップを構築できるように現在準備を進めているところだ」と角田氏は現状についてい語っている。
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