トヨタL&Fのサブスクリプションサービスのフォークロアは、フォークリフトやそのバッテリーなど現場でIoT(モノのインターネット)を活用し、稼働状況や使用状態を把握して現場改善につなげることに取り組んでいる。すでに、フォークリフトの稼働状況やドライブレコーダーの記録映像をWebサイト上で閲覧できる「ドラレコConnect」、フォークリフト用リチウムイオン電池の使用状況を可視化する「バッテリーConnect」などを提供している。
ドラレコConnectは、ドライブレコーダーのSDカードをPCで抜き差しするのが制限される企業でニーズが高まっている。ドライブレコーダーが衝撃を検知するとメールなどで管理者に通知できる他、衝撃が発生した回数や運転時間を基にした安全運転成績表の作成に対応している。基準となる衝撃の大きさはユーザーが設定することができる。
衝撃が発生しない不安全行動についてはドラレコConnectではカバーできておらず、今回発表した新サービスの運転動画AI解析で対応する。運転動画AI解析は、ドラレコConnectのオプション機能と位置付けている。新車以外、トヨタL&F製以外のフォークリフトでも対応するドライブレコーダーを装着すればドラレコConnectや運転動画AI解析が利用できる。
利用料は年間8万円程度。すでに2024年2月からサービスとして提供しており、17社130人分の解析実績がある。2027年度までに利用者を3000人まで増やすことを目指す。また、トヨタL&Fでは、フォークリフト向けの安全運転支援システムも別途提供している。
フォークリフトの機種の違いや人の動作、周囲の環境などフォークリフトのドライブレコーダーから得られる映像のパターンが膨大になる点が、不安全な行動を分析する難しさとなった。また、不安全な行動の定義が現場ごとに異なるため、定義を柔軟に変更したり、検知したい行動を追加したりすることも必要だった。
新サービスの運転動画AI解析は、データやAIを活用するオペレーションプラットフォーム「Fujitsu Data Intelligence PaaS」でAIサービスとして提供する「Fujitsu Kozuchi」を採用して開発した。Fujitsu Kozuchiが得意とする人間や物体を対象とする画像解析技術が生かされているという。
今後、蓄積したデータをFujitsu Data Intelligence PaaSのデータ分析機能で可視化し、さらなる付加価値創出を目指す。
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