ソラコムは、生成AIを用いてIoTアプリケーションをローコードで開発できるツール「SORACOM Flux」の提供を始めると発表した。同社サービスのアカウントを持つユーザーが全て利用可能な無償のFreeプランから提供を開始する。
ソラコムは2024年7月17日、生成AI(人工知能)を用いてIoT(モノのインターネット)アプリケーションをローコードで開発できるツール「SORACOM Flux(ソラコム フラックス)」の提供を始めると発表した。同社サービスのアカウントを持つユーザーが全て利用可能な無償のFreeプランから提供を開始し、作成できるアプリ数やイベント数に制限のない有償のProプラン/Enterpriseプランを2024年秋に提供する予定だ。
SORACOM Fluxは、センサーやカメラなどのデバイスから数値データや画像が送信されるイベントに対してルールを適用し、複数のデータソースや生成AIを組み合わせてデータの分析や判断、通知ツールなどの外部アプリケーションへの連携を実行するサービスだ。ソラコムのユーザーコンソール上での操作によって、イベントの内容や条件分岐を含むアクションを組み合わせることができる。
同サービスを利用すれば、デバイスからクラウドにデータを連携し、クラウドからデバイスを制御するような仕組みをローコードで開発できる。例えば、工場や倉庫に既設の監視カメラを活用して異常検知を行う仕組みであれば、カメラの画像を生成AIサービスを使って解析し、その上で異常を検知した場合に現地にある警報灯を鳴らす、といった連携制御を行うアプリケーションをユーザーコンソール上の操作で構築できる。

「SORACOM Flux」によるIoTアプリケーション構築の画面。倉庫内にある監視カメラを使って防護器具の着用状況を監視するアプリの場合、監視カメラの画像から物体を検出するアクション(左)など、IoTアプリケーションのフローを設定していく(右)ことで構築が可能になる[クリックで拡大] 出所:ソラコム検知すべき内容や結果の出力は、生成AIに渡すプロンプトとして自然言語で記述できる。ソフトウェア開発の専門知識がない現場の担当者、自身の持つビジネスのノウハウや現場の知識を踏まえてアプリケーションを構築することが可能になる。
対応する生成AIサービスは、GPT-4o、Claude3/3.5、Geminiで、これらの他にYOLOを用いた簡易動体検知も利用できる。トリガーとしては、デバイスからソラコムサービスへのリクエスト送信、「SORACOM Harvest Files」へのファイルの保存/更新/削除、SORACOM APIを使用したリクエストの送信、タイマーによる時間や時間間隔の経過アクションなどを設定できる。アクションとしては、AIサービスの呼び出し、Webhookの呼び出し、簡易物体検知、Slack通知、メール通知、LINE通知が利用可能だ。
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