AIoTクラウドは、IoT向け通信プラットフォームを展開するソラコムとの連携により、工場設備の巡回/点検業務を効率化する「WIZIoT遠隔監視サービス」を2024年2月1日から提供する。
シャープの100%子会社であるAIoTクラウドは2024年1月29日、東京都内とオンラインで会見を開き、IoT(モノのインターネット)向け通信プラットフォームを展開するソラコムとの連携により、工場設備の巡回/点検業務を効率化する「WIZIoT(ウィジオ)遠隔監視サービス」を同年2月1日から提供すると発表した。
ソラコムのクラウドカメラ「ソラカメ」を用いたメーターの撮影とAI(人工知能)読み取りに加えて、作業員がスマートフォンのカメラで撮影したメーター画像のAI読み取りにも対応し、これらの読み取り結果をまとめてクラウド上で自動登録/管理できるハイブリッドサービスとなっている。サービス利用料金(税別)は、初期費用が3万円、ソラカメを用いる「AI点検 for ソラカメプラン」がカメラ1台当たり月額2300円(ソラカメ本体代金3618円と1台当たりの月額サービス利用料金900円が別途必要)、スマートフォンカメラ向けの「AI点検 for モバイルプラン」がメーター1台当たり月額600円となっている。
また、顧客自身のメーターで読み取りを2週間無償で試せるトライアルの受付も開始する。スマホカメラだけでなく、ソラカメについても簡易設置キットのレンタルを含めて無償となっている。オートメーションと計測の先端技術である「IIFES 2024」(2024年1月31日〜2月2日、東京ビッグサイト)のソラコムブースにも出展する予定だ。
2019年創業のAIoTクラウドは、約10年にわたるシャープのスマート家電向けIoTプラットフォームの開発/運用に関する知見やノウハウを基に、2021年から外販活動を行っている。現在はSaaSプロダクトとして、2022年3月の発表したアルコールチェック管理サービス「スリーゼロ」に加え、同年11月に発表したIoTサービスブランド「WIZIoT」の第1弾となるIoT機器の開発/運用効率化サービスを展開している。今回発表したWIZIoT遠隔監視サービスは、WIZIoTブランドにおけるサービスの第2弾となる。
AIoTクラウド 代表取締役社長の松本融氏は「生成AIの登場により、専門知識不要で誰でも簡単に現場の遠隔監視を操作、設定できるようになってくる。人手不足を背景に、遠隔監視による点検業務やデータ管理業務の省力化、自動化のニーズが高まっており、現場の力をブースとするプロダクトビジョンを持つWIZIoTでこのニーズに応えていく。スリーゼロとWIZIoTの展開拡大により、2027年度に売上高100億円の達成を目指す」と語る。
WIZIoT遠隔監視サービスは、カメラで撮影した工場設備などのメーター表示の画像を基にクラウド上でAIが値を読み取り、その結果を点検台帳に記録するサービスだ。最大の特徴は、固定カメラとスマートフォンカメラの両方に対応するとともに、それぞれのAI読み取り結果をまとめてクラウド上の点検台帳に自動記録できる点だ。
AIoTクラウド プロダクトマネージメント部長の宇徳浩二氏は「固定カメラによるメーター読み取りソリューションは多数あるが、カメラの購入や設置のコストが大きく、工場の現場だとそもそもカメラの設置が難しいことが課題になっている。固定カメラありきのソリューションでは導入がなかなか進まない。一方で、顧客企業ごとにカスタマイズ開発するようなソリューションはコストと時間がかさむ。WIZIoT遠隔監視サービスは、固定カメラとスマートフォンカメラをハイブリッドで利用できる業界初のメーター読み取りソリューションであり、現場の必要に応じて固定カメラとスマートフォンカメラを組み合わせられる。また、カスタマイズ開発不要のSaaSサービスなので、コストも大きく増大しない」と説明する。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.