サイバネットシステムは、最適設計支援ソフトウェアの最新版「Optimus 2024.1」を発売した。ChatGPTを組み込んだAIチャットbotや、効率的な最適化アルゴリズムを搭載している。
サイバネットシステムは2024年6月19日、最適設計支援ソフトウェアの最新版「Optimus 2024.1」を発売した。ChatGPTを組み込んだAI(人工知能)チャットbotや、効率的な最適化アルゴリズムを搭載している。
Optimusは、各分野のCAD、CAEソフトウェアを統合化し、解析を自動化/最適化する最適設計支援ソフトウェアだ。グループ会社のNoesis Solutions(ノエシス)が開発し、同社が販売/サポートしている。
最新版では、OpenAIが開発した対話型生成AIのChatGPTを組み込んだ、多言語AIチャットbotサービス「Noesis AI Assistant」を搭載。ユーザーの質問に対し、24時間365日、リアルタイムで回答する。
ユーザーサポートの記録、FAQ、各種マニュアルなど、Optimus独自の知識ベースから情報を検索し、回答を自然な言語処理で生成する。ユーザーからの質問と回答は匿名で記録され、新しい回答を生成できるように知識ベースも更新する。将来的には拡張を予定しており、AIを活用したサロゲートモデリングツール「nvision」を含む、ノエシスの製品群の情報を全て網羅する。
また、計算コスト削減に向け、単一目的最適化アルゴリズム「Multi-Fidelity Efficient Global Optimizer」を開発した。高忠実度、低忠実度の解析モデルを自動で選択しつつ、最適解を探索する。
高忠実度と低忠実度の解析データの結果を合わせて学習して、その結果から自動でモデルを選択し、必要な計算を実行する。ユーザーは、計算コストを抑えて高精度な最適解探索が可能になる。
多目的最適化問題には、幅広い最適化問題に適用できるアルゴリズム「Lighthouse」が対応する。組み合わせ最適化問題や混合整数最適化問題など、整数や名義変数が多数存在する問題に対応し、最適解を従来のアルゴリズムよりも早く求められる。幅広い最適化問題に適用できるため、アルゴリズムの選択に迷った場合は、Lighthouseにより最適解を得られる。
nvisionのダイレクトインタフェースも搭載する。過去のシミュレーションデータからサロゲートモデルを作成でき、新しい設計案の製品性能をリアルタイムで予測する。最適設計にかける時間を、CAEの結果を利用した従来の最適化に比べて短縮できる。
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