2024年6月4〜7日の4日間、「COMPUTEX TAIPEI 2024」が開催された。会期を前年の5日から4日に短縮したものの、来場者は大幅に増加し大盛況となった。生成AIに沸いた今回のCOMPUTEXだが、本稿ではいまいちその恩恵に預かれていない感もある組み込み関連の展示についてレポートする。
2024年6月4〜7日の4日間、台湾の台北市で開催された「COMPUTEX TAIPEI 2024」に参加してきた。今回は大盛況であり、プレスリリースによれば8万5179人もの参加があったという。会期を4日に短縮してのこれである。
ちなみに2023年の前回は会期5日ながら公式発表で参加者は4万7594人なので、いかに今回が賑わったかが分かろうというもの。実際、会場を歩いていても明らかに参加者が多く、活気に満ちあふれていた。参加企業の数も前回の約1000社から今回は約1500社に増えており、実際組み込み向けのソリューションを提供している企業の数は明らかに前回から増えていた。そんな中で感じたことを幾つかご紹介したい。
MONOistで公開した2018年のComputex Taipeiのレポート記事では、中国RockChipのSoCを使った製品の躍進をレポートしたかと思うが、このころから米中間の緊張関係が高まり、2019年からはまずHuaweiとその子会社であるHiSiliconを狙い撃ちにした輸出規制が始まったあたりから、こうした中国メーカーのSoCの入手性が悪くなり始めた。何しろTSMCの製造規制まで始まったことで、SoCの製造そのものが滞り始めていた。
さらにコロナ禍がとどめを刺した感があり、実際2022年ごろのイベントでもこうした中国製SoCを使ったSOM(System on Module)やSBC(Single Board Computer)はだいぶ影を潜めており、NXPのi.MXやMediaTekのSoCがちょっと出ているという程度だった。
ところが今回は会場の至る所で、RockChipのSoCを搭載したSOMやSBCが出展出典されていた(図1〜3)。他にもPhytium E2000Qを搭載したSBCなんかも見かけた(図4)。
変わったところで言えば、先ほど挙げたGeniatechの入り口すぐの壁はこんな感じで(図5)、RISC-Vの名前があるのが非常に特徴的なのだが、なぜか会場には一切展示されていない。で、展示員の方に聞くと、ポケットから出して見せてくれるのだが、なぜか今回は写真撮影は不可であった。まだいろいろ大っぴらに“RISC-Vやってます”とは言いにくい何かがあるらしい(なぜかは教えてもらえなかったが)。
余談であるが、RockChipのSoCは、Raspberry Pi代替として注目を集めているROCKにも採用されている。最近、RK3588を搭載したROCK 5AやROCK 5Bが発売され、国内でも入手が容易(例えばアマゾンジャパンなど)ということもあって、ユーザーも増えているようだ。
ちなみにその他で言えば、MediaTekのGenio 1200を搭載したKontronのSBC(図6、7)や、QualcommのSnapdragon 410を搭載したSOM(図8)ども見かけた。中国メーカーではないが、NXPのi.MXシリーズはi.MX6〜i.MX8くらいまで、さまざまな企業が出展していたが、さすがに数が多すぎるので割愛した(さすがにi.MX9を搭載した製品はまだ見られなかったが)。
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