三菱重工業は、「Japan Drone 2024」において、現在開発を進めているペイロード200kgの大型ドローンの機体を披露した。併せて、作業員の「相棒」をコンセプトとするドローン「MTD」も公開した。
三菱重工業は、「Japan Drone 2024」(2024年6月5〜7日、幕張メッセ)において、現在開発を進めているペイロード200kgの大型ドローンの機体を披露した。併せて、ダクテッドファンの採用などによって機体を水平に保って飛行できる、作業員の「相棒」をコンセプトとするドローン「MTD(Mitsubishi Multi Task Drone)」も公開した。
ペイロード200kgの大型ドローンは物資輸送用で、外形寸法は全長6m。ローターは6カ所に上下2つずつ搭載しており総計12個となる。現在は、バッテリー駆動によって飛行実験を行っているが、将来的な動力はエンジンで発電した電力を用いるハイブリッドタイプを想定している。ハイブリッドタイプの飛行時間は2時間、飛行速度は巡航時で時速60km、最大で時速90kmを見込む。「今回の展示を皮切りに提案を進めながら、商用化の道筋を定めていきたい」(三菱重工の説明員)という。
一方、MTDは、高所や狭所といった危険な場所で点検や整備を行う作業員を支援する「相棒」に位置付けられている。
一般的なドローンはプロペラがむき出しになっており、作業員をはじめ人のそばで運用することは難しい。MTDは、回転部分が露出していないダクテッドファンを採用しているので、人や物に接触した場合でもけがや損傷が発生しにくいようになっている。さらに、ダクテッドファンの下側に最新のジェット機でも使用されている推力偏向システムを組み込むことで、機体を傾けることなく水平な状態を保って飛行できる。
既にペイロード1kgの小型モデルを用いた飛行試験を完了しており、現在はペイロード30kg級での飛行試験を開始している。さらに、コンセプトに掲げる「相棒」の役割を果たすべく、作業員にペイロードから物を渡すためのロボットアームを搭載しての実証実験を2024年度内にも行いたい考えだ。「これと並行して、顧客と協力して具体的な用途で実証実験も行っていきたい」(三菱重工の説明員)としている。
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