IHIエアロスペースは、「第8回 国際ドローン展」において、エンジンと電気モーターの併用で重量物積載と長時間飛行を両立したハイブリッドドローン「i-Gryphon」の試作2号機を展示した。既に基本設計は完了しており、2024年度の販売開始を目標に実証を進めている段階にある。
IHIエアロスペースは、「第8回 国際ドローン展」(2022年7月20〜22日、東京ビッグサイト)において、エンジンと電気モーターの併用で重量物積載と長時間飛行を両立したハイブリッドドローン「i-Gryphon」の試作2号機を展示した。既に基本設計は完了しており、2024年度の販売開始を目標に実証を進めている段階にある。
i-Gryphonは、ガソリンを燃料とする排気量600ccのツインローターリーエンジンを主動力源とするマルチコプタードローンである。ツインローターリーエンジンを搭載する機体中央部の両側方に備える2基の大出力ダクテッドファンで推力を得るとともに、四方に伸びる4基のプロペラアームのローターを用いて姿勢制御を行う。燃料のガソリンを含めた最大ペイロードは47kgで、搭載物36kg、燃料11kgの場合に約50kmの航続距離(巡航速度は時速60kmで飛行時間は約50分)を実現した。
一般的なリチウムイオン電池を動力源とする大型のマルチコプタードローンは、約30kgの荷物を搭載した場合、飛行時間は5〜10分にとどまり、山間部や離島などへの配送に利用することは難しい。また、重量物を積載できるドローンとしては無線操縦タイプのヘリコプターがあるが、メインローターの直径が大きくなるため、安全な運用には課題があった。i-Gryphonは、マルチコプタードローンでありながら重量物積載と長時間飛行を両立し、ローターがダクト内に収まるダクテッドファンを用いることで安全性も確保できている。
i-Gryphonの外形寸法は、プロペラアームを広げた状態で全長3180×全幅3180×全高1200mm、プロペラアームを折りたたんだ状態で全長1300×全幅2400×全高1800mm。機体重量は、ジンバルカメラ1台、周辺監視カメラ2台、目視外自動航行に用いるLTE通信機器などを含めて102kg。
今回展示した試作2号機で基本設計は完了しているが、2022年末に施行される予定の改正航空法で導入される機体認証制度への適合作業を2023年度に進めた上で、2024年度に販売を開始する計画である。これと並行して、i-Gryphonの運用が見込まれる山間部や離島での実証実験なども進めていきたい考えだ。
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