cIDFDの効果を確認するために、半導体製造プロセスを模したベンチマーク画像による評価を行った。半導体の回路パターンをイメージした縞模様を持つ背景パターン画像と、不具合の基になる微粒子や異物をイメージした手書き数字が縞模様の背景画像の上に重なる画像を使用して分類精度の検証を行ったころ、分類精度を従来の27.6%から83.0%に向上させることができた。
また、自然風景の中にいる鳥を分類する教師なし画像分類AIの事例でも、背景パターン画像として鳥の画像と無関係な風景画像を組み合わせることで、分類精度を従来の48.6%から73.8%に高められるという結果を確認している。これらの他、帽子の有無+顔で2つに分類する場合は95%以上という分類精度を達成できているという。
なお、学習に用いる背景パターン画像は目的画像にある背景パターンと厳密に一致する必要がない。製造ラインの検査に適用するのであれば、これまでに蓄積された良品の検査画像を背景パターンに用いればよいので、背景パターン画像の選定作業にかかる時間を削減できるとする。
cIDFDを用いた教師なし画像分類AIにより、製造ラインの検査で検出した欠陥や不良の分類を自動化できるようになり、生産技術の担当者は分類結果を基にしたより高度な分析作業などに労力をかけられるようになる。その結果として、品質管理の精度と効率を大きく向上することが期待できる。また、天気や季節変動による背景の変動の影響で分類が困難だった監視カメラ画像への適用も見込めるという。
なお、cIDFDの詳細については、2024年5月7〜10日に台湾で開催されるデータマイニング分野の国際会議「PAKDD(Pacific Asia Conference on Knowledge Discovery and Data Mining) 2024」で発表される予定だ。
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