NTTとNTTデータグループは、英国と米国の両国内で、遠距離のデータセンター間を接続する実証実験に成功した。英国では約100km離れたデータセンター間を光通信ネットワークで接続し、1ミリ秒以下の低遅延で通信した。
NTTは2024年4月12日、NTTデータグループと共同で、英国と米国の両国内において、遠距離のデータセンター間を接続する実証実験に成功したと発表した。英国では約100km(NTTのプレスリリースより)離れたデータセンター間をNTTの光通信ネットワーク「IOWN APN」で接続し、1ミリ秒以下の低遅延で通信できることを確認した。なおファイバ長は約89kmとしている。
英国では約90km離れたデータセンター間をNTTの光通信ネットワーク「IOWN APN」で接続し、1ミリ秒以下の低遅延で通信できることを確認した。
実証実験では、それぞれ2つのデータセンター間をNEC製のAPN機器で接続し、往復遅延や遅延ゆらぎを測定した。英国では、ハートフォードシャー州のへメルヘムステッドとロンドン東部のダゲナムにあるデータセンター間(距離89km)を接続。米国では、バージニア州アッシュバーンのデータセンター間(距離4km)を接続した。
その結果、400Gビット/秒の通信時に、英国では遅延が0.893ミリ秒、遅延ゆらぎが0.035マイクロ秒、アメリカでは遅延が0.062ミリ秒、遅延ゆらぎが0.045マイクロ秒となった。なお英国では、同程度の距離のデータセンター間通信で、遅延は2ミリ秒を超えるという。
Microsoftでは、遅延が2ミリ秒以内の場合、同一のデータセンターとして扱えると規定している。そのため今回の成果により、複数のデータセンターが統合ITインフラとして機能する可能性が示された。
今後、海外においてNTTデータグループのデータセンターが、分散型リアルタイムAI(人工知能)分析や金融分野の郊外型データセンターとして、または都市部と同一拠点相当のデータセンターとして活用されることが期待できる。
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