高出力仕様の溶接電源でより幅広い施工に対応、パナの次世代コントローラーFAニュース

パナソニックコネクトは溶接電源融合型ロボット「TAWERS(The Arc Welding Robot System)」のG4コントローラーシリーズとして、高出力仕様の溶接電源を搭載した「WGH4コントローラー」を日本で発売する。

» 2024年04月24日 07時15分 公開
[長沢正博MONOist]

 パナソニック コネクトは2024年4月23日、溶接電源融合型ロボット「TAWERS(The Arc Welding Robot System)」のG4コントローラーシリーズとして、高出力仕様の溶接電源を搭載した「WGH4コントローラー」を同月24日に日本で発売すると発表した。

溶接電源融合型ロボット「TAWERS」と次世代コントローラー「WGH4コントローラー」 溶接電源融合型ロボット「TAWERS」と次世代コントローラー「WGH4コントローラー」[クリックで拡大]出所:パナソニック コネクト

 同社のG4コントローラーは溶接性能のさらなる進化、IoT(モノのインターネット)ソリューション対応力強化、拡大するグローバル販売への対応、エンジニア/保守マンパワー対応の4つをコンセプトとしており、今回のWGH4コントローラーはその中でも特に溶接性能のさらなる進化とエンジニア/保守マンパワー対応に着目している。

 近年、自動車産業の溶接現場などでは、タクトタイム短縮やラインストップの低減による生産性の向上が求められている。WGH4コントローラーでは従来の溶接電源から高出力化を図ることで、厚いワークへの対応や溶接速度の向上などを実現。さらに、溶接電源の冷却構造を改善し、粉じんに弱い部品を防塵(じん)構造内に配置することで、高い冷却性と堅牢性を両立した。溶接電源の外部と接続する構成部品を前面に集約しており、メンテナンス性も向上した。

 高出力化については、溶接電源部のインバーターやトランスを刷新し、同社の溶接制御技術を組み合わせて実現している。厚いワークにおける深い溶け込みの溶接や高い溶接出力で速度の速い溶接ができ、幅広い溶接施工に対応する。

従来機との出力の比較[クリックで拡大]出所:パナソニック コネクト

 溶接中の発熱が大きいメイントランスやリアクター類を強制空冷するために非防塵エリアに、粉じんの堆積によって破損が懸念されるプリント基板や半導体部品を防塵エリアに配置した。さらに内部ファンを配置することで、防塵エリア内でも発熱の大きい半導体部品などの温度上昇を抑制した。

部品配置を見直し高い冷却性と堅牢性を両立[クリックで拡大]出所:パナソニック コネクト

 溶接電源部とコントローラー部を接続するコネクターやケーブル、出力端子、治具端子、電圧検出端子を全て溶接電源の前面に配置しており、前面パネルを取り外すだけでこれらにアクセスできる。

[クリックで拡大]出所:パナソニック コネクト

 適用溶接法はCO2/MAG/ステンレスMIG/パルスMAG/ステンレスパルスMIGとなっている。

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