製造業のマーケティング担当者必見、「サプライヤーの探し方と選定基準」の本音間違いだらけの製造業デジタルマーケティング(14)(4/4 ページ)

» 2024年04月26日 07時00分 公開
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(5)相見積もりの社数

 相見積もりは必ず取り、基本的には2〜3社、多いときで10社程度に問い合わせるようである。ただし、コストのみを見るわけではなく、技術力とコストのバランスを見て決めるという意見が多かった。

相見積もりの社数[クリックして拡大] 出所:テクノポート

(6)外注先を決めるときの決定者

 外注先の最終決定者は購買部門になるが、技術部の意見が強く反映されるようである。

外注先を決めるときの決定者[クリックして拡大] 出所:テクノポート

(7)Webのデザインや構成について

 Webサイトのデザインはほとんど気にしていなかった。見た目にこだわるよりも、知りたい情報をすぐ探せるようにメニューを構成した方が良いようだ。

Webのデザインや構成について[クリックして拡大] 出所:テクノポート

(8)どういう企業は選ばないのか

 Webサイトのデザインはさほど重要ではないが、古すぎる場合は信用力を落とすようである。ある程度のメンテナンスは大切だといえそうだ。さらに、問い合わせがきたらできるだけ早く返信するような体制も必要だ。

どういう企業は選ばないのか[クリックして拡大] 出所:テクノポート

(9)特化している系、何でもできる系、どちらがいいか

 Webサイトに「何でもできる」と記載するよりも、特定の分野に特化した方が、専門性が高いイメージを与え、興味を持ってもらいやすそうだ。ただし、多方面で高い技術力を有する場合は、あえて1つに特化させる必要はないとのことである。

特化している系、何でもできる系、どちらがいいか[クリックして拡大] 出所:テクノポート

(10)SNSは見るか

 SNS(Facebook、Instagram、X)はほとんど見ないという回答が多かった。ただし、工場や作業の様子が分かる動画は効果的なようだ。

SNSは見るか[クリックして拡大] 出所:テクノポート

インタビューの結論

 メーカーの開発設計者からの問い合わせを増やす目的でWebサイトを作る場合、見た目のデザインよりも、構成や内容にこだわった方がよいという結果であった。その中でも、製品の写真や取引先名などの実績はできる限り掲載し、簡単に情報にアクセスできるようにメニューなども工夫するとよいであろう。

 また、SNSについては、さほど関心を持たれていない可能性もあるため、SNSに力を入れるよりもSEOに注力した方が効果は高そうである。

まとめ

 今回、メーカーの開発設計者にインタビューをして、実績の重要性を改めて知ることができた。受託製造の場合は、取引先の許可なく自社Webサイトに実績を掲載することはできないため、オリジナル製品の製造も視野に入れた方がよさそうだ。この調査結果を利用して、自社のデジタルマーケティングの質を高めてほしい。

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筆者紹介

永井満(ながい みつる)
テクノポート株式会社 Webマーケティング事業部 名古屋オフィス責任者

日本大学大学院(航空宇宙工学専攻)を卒業後、新卒で入社したボッシュ株式会社にてディーゼルエンジンの設計職を経験した後、テクノポート株式会社へ入社。現在はWebマーケティングコンサルタントとして、中小企業から大手製造業まで幅広い企業のクライアントを担当。技術の魅力を伝えることにこだわったマーケティング支援を心掛けている。


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