相見積もりは必ず取り、基本的には2〜3社、多いときで10社程度に問い合わせるようである。ただし、コストのみを見るわけではなく、技術力とコストのバランスを見て決めるという意見が多かった。
外注先の最終決定者は購買部門になるが、技術部の意見が強く反映されるようである。
Webサイトのデザインはほとんど気にしていなかった。見た目にこだわるよりも、知りたい情報をすぐ探せるようにメニューを構成した方が良いようだ。
Webサイトのデザインはさほど重要ではないが、古すぎる場合は信用力を落とすようである。ある程度のメンテナンスは大切だといえそうだ。さらに、問い合わせがきたらできるだけ早く返信するような体制も必要だ。
Webサイトに「何でもできる」と記載するよりも、特定の分野に特化した方が、専門性が高いイメージを与え、興味を持ってもらいやすそうだ。ただし、多方面で高い技術力を有する場合は、あえて1つに特化させる必要はないとのことである。
SNS(Facebook、Instagram、X)はほとんど見ないという回答が多かった。ただし、工場や作業の様子が分かる動画は効果的なようだ。
メーカーの開発設計者からの問い合わせを増やす目的でWebサイトを作る場合、見た目のデザインよりも、構成や内容にこだわった方がよいという結果であった。その中でも、製品の写真や取引先名などの実績はできる限り掲載し、簡単に情報にアクセスできるようにメニューなども工夫するとよいであろう。
また、SNSについては、さほど関心を持たれていない可能性もあるため、SNSに力を入れるよりもSEOに注力した方が効果は高そうである。
今回、メーカーの開発設計者にインタビューをして、実績の重要性を改めて知ることができた。受託製造の場合は、取引先の許可なく自社Webサイトに実績を掲載することはできないため、オリジナル製品の製造も視野に入れた方がよさそうだ。この調査結果を利用して、自社のデジタルマーケティングの質を高めてほしい。
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永井満(ながい みつる)
テクノポート株式会社 Webマーケティング事業部 名古屋オフィス責任者
日本大学大学院(航空宇宙工学専攻)を卒業後、新卒で入社したボッシュ株式会社にてディーゼルエンジンの設計職を経験した後、テクノポート株式会社へ入社。現在はWebマーケティングコンサルタントとして、中小企業から大手製造業まで幅広い企業のクライアントを担当。技術の魅力を伝えることにこだわったマーケティング支援を心掛けている。
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