機能特化で小型化と低コスト化を実現したモーター制御製品用ソフトスターター:FAニュース
シュナイダーエレクトリックは、モーター制御製品用ソフトスターター「Altivar Soft Starter」を発売した。シンプルな機能に特化することで、小型化、低コスト化を図っている。
シュナイダーエレクトリックは2024年3月25日、モーター制御製品用ソフトスターター「Altivar Soft Starter(アルティバソフトスターター)」を発売した。シンプルマシン向けの「ATS01」と、プロセスおよびインフラ向けの「ATS480」の2シリーズを展開する。
モーター制御製品用ソフトスターター「Altivar Soft Starterの「ATS01」シリーズ(左)、「ATS480」シリーズ(右)[クリックで拡大] 出所:シュナイダーエレクトリック
両シリーズは、シンプルな機能のみに絞ることで本体の小型化、低コスト化を図っている。
ATS01は、コンベヤー、ポンプ、コンプレッサー、ファンなどシンプルなマシン向けのシリーズだ。コンパクトな設計により並列取り付けが可能で、ソフトウェアを使わずポテンションメーターで簡単に設定できる。
インバーターを使わないため、高調波対策やラジオノイズ対策が不要となり、コスト削減にも貢献する。定格電圧は110〜480V、定格電流は3〜32A、モーター容量は0.37〜15kwとなっている。
ATS480シリーズは、よりシビアな制御が必要な装置向けで、二重定格(ND、HD)と独自トルク制御に対応することでスムーズな加減速が可能だ。通信機能は標準搭載のModbusのほか、オプションでModbus TCP&Ethernet/IP、PROFINET、PROFIBUS DP、CAN Openに対応する。
サイバーセキュリティ対策として、ユーザーアカウント管理や脅威インテリジェンス、安全なファームウェアアップデートなどの機能を備える。定格電圧は208〜690V、定格電流は17〜1200A、モーター容量は4〜900kw。水処理や鉄鋼関連、一般消費財製造、石油ガスプラントなどでの使用を想定する。
⇒その他の「FAニュース」の記事はこちら
- ドイツが描く第4次産業革命「インダストリー4.0」とは?【前編】
「インダストリー4.0(Industrie 4.0)」という言葉をご存じだろうか? 「インダストリー4.0」は、ドイツ政府が産官学の総力を結集しモノづくりの高度化を目指す戦略的プロジェクトだ。インダストリー4.0とは何なのか。同プロジェクトに参画するドイツBeckhoff Automationグループに所属する筆者が解説する。
- “生みの親”が語るインダストリー4.0の本質とこれから
SAPジャパンは年次カンファレンス「SAP NOW」を開催し、基調講演プログラムの1つとして、ドイツの「インダストリー4.0」の提唱者でドイツ工業アカデミー評議会議長のヘニング・カガーマン氏が登壇。「インダストリー4.0とソサエティー5.0を推進するエンタープライズIT」をテーマにデジタル化がもたらす産業や経済の変化について訴えた。
- 「インダストリー4.0」は第3段階? ハノーバーメッセに見るフェーズの変化
製造業の産業構造を大きく変えるといわれている「第4次産業革命」。本連載では、第4次産業革命で起きていることや、必要となることについて、話題になったトピックなどに応じて解説していきます。第23回となる今回は「ハノーバーメッセ2018に見るインダストリー4.0のフェーズの変化」をテーマに、スマートファクトリー化における中心課題の変化について解説します。
- スマート工場は“分断”が課題、カギは「データ取得」を前提としたツールの充実
工場のスマート化への取り組みは2020年も広がりを見せているが、成果を生み出せているところはまだまだ少ない状況だ。その中で、先行企業と停滞企業の“分断”が進んでいる。新型コロナウイルス感染症(COVID−19)対応なども含めて2021年もスマート工場化への取り組みは加速する見込みだが、この“分断”を解消するような動きが広がる見込みだ。
- スマートファクトリー化がなぜこれほど難しいのか、その整理の第一歩
インダストリー4.0やスマートファクトリー化が注目されてから既に5年以上が経過しています。積極的な取り組みを進める製造業がさまざまな実績を残していっているのにかかわらず、取り組みの意欲がすっかり下がってしまった企業も多く存在し2極化が進んでいるように感じています。そこであらためてスマートファクトリーについての考え方を整理し、分かりやすく紹介する。
- エッジは強く上位は緩く結ぶ、“真につながる”スマート工場への道筋が明確に
IoTやAIを活用したスマートファクトリー化への取り組みは広がりを見せている。ただ、スマート工場化の最初の一歩である「見える化」や、製造ラインの部分的な効率化に貢献する「部分最適」にとどまっており、「自律的に最適化した工場」などの実現はまだまだ遠い状況である。特にその前提となる「工場全体のつながる化」へのハードルは高く「道筋が見えない」と懸念する声も多い。そうした中で、2020年はようやく方向性が見えてきそうだ。キーワードは「下は強く、上は緩く結ぶ」である。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.