エヌエヌ生命が「中小企業の賃上げとリスキリングに関する調査」の結果を発表した。2024年度中の賃上げを「予定している」は37.2%で、予定賃上げ率は「2%以上3%未満」が最も多かった。
エヌエヌ生命は2024年3月27日、「中小企業の賃上げとリスキリングに関する調査」の結果を発表した。同調査は、日本全国の中小企業経営者(会社規模が従業員1〜300人未満の会社経営者、従業員のいる自営業者)を対象としたもので、7232人からサンプルを得た。
初めに、2023年度に賃上げをしたか尋ねたところ、「賃上げをしていない」が最も多く59.2%だった。賃上げをした企業のうち、「5%以上」は9.5%だった。
また、2024年度に賃上げを予定しているかを尋ねた。「予定している」は37.2%で、「予定していない」は62.8%だった。
賃上げについての回答割合を業種別に見ると、「予定している」は「製造業(医薬品、化粧品)」が73.7%で最も多かった。「予定していない」は「卸売、小売業(家電、電気機械器具、IT関連)」の79.2%が最も多かった。
次に、賃上げを「予定している」と回答した人に、どの程度の賃上げを予定しているかを尋ねた。その結果、「2%以上3%未満」(23.9%)が最も多かった。次いで「1%以上2%未満」(22.1%)、「5%以上」(20.2%)となっている。
予定賃上げ率「5%以上」の回答割合を業種別に見ると、最も多かったのは「旅行関連業(宿泊、旅行代理店)」(38.9%)だった。
賃上げをする理由は、1位が「従業員のモチベーション向上のため」(60.2%)、2位が「従業員の生活を守るため」(50.9%)、3位が「物価上昇へ対応するため」(46.0%)となっている。
賃上げをする理由の上位3項目について業種別に見ると、3項目とも「卸売、小売業(家電、電気機械器具、IT関連)」が最も多かった。
続いて、賃上げを「予定していない」と回答した人に、賃上げをしない理由について尋ねた。1位は「業績が改善する見通しがつかないため」(42.8%)、2位が「価格転嫁が難しいため」(35.5%)、3位が「人件費以外のコストが増加しているため」(29.7%)となった。
2位の「価格転嫁が難しいため」の回答割合を業種別に見ると、「製造業(食料、飲料、日用品、衣服)」(54.2%)が最も高かった。
経営者報酬を上げる予定はあるかという質問では、「はい」が16.2%、「いいえ」が83.8%となった。
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